
いつからか、町を歩いている時や電車に乗っている時、猫背の人が目につくようになりました。 今は本当に猫背の人が増えましたね。 これには猫背になっている人たち自身も自覚があって、なんと女性の70%が自分の姿勢が悪いと思っているそうです。
参考:自分の姿勢悪いと思っている女子70% 猫背、がに股、ゆがんでる……
ちなみにリンク先の記事によると、気になるのは、「背中の丸み」、「がに股」、「骨盤」、「左右のアンバランス」の4つです。 確かに、「がに股」って男性より女性の方が悩んでいる人が多いですよね。 男性の場合は、むしろ男らしさの象徴だった時代もあるくらいです。 ただ、最近の若い男性を見ているとみなスラッとした長身で、足も長い人が増えてますのでその辺の意識は変わってそうですが・・・。 がに股は、
- 「女性らしくない」
- 「みっともない」
- 「男性に見られた時に恥ずかしい」

膝が内向きで近い内股と離れたガニ股
などのマイナスイメージなので、できれば”おしとやかな内股”に直したいと思っている人が多いわけです。 (とはいえ、あんまり内股すぎてもO脚になりやすいので良くないんですが・・・) ところで「がに股」とは、膝のお皿が正面でなく外側を向いた状態です。 ならば、膝のお皿を正面に向けたら直せるわけなのですが、 なかなかそう簡単にはいきません。
というのも、長年がに股でいると太ももの筋肉もがに股の形でガチガチにかたまり、 太ももの骨(大腿骨)の動きを制限してしまっているからです。
そもそも、太ももの筋肉は骨盤からついているわけですが、それががに股のポジションで硬くなるのは、骨盤もがに股ポジションになってしまっているからなのです。 別の言い方をすると骨盤が通常よりも後ろに傾いた「後傾」ががに股ポジションです。
猫背とがに股の関係は骨盤がポイント
猫背と骨盤の関係

猫背は骨盤位が関係
姿勢の土台となるのは骨盤です。 骨盤は、もともと少し前方に傾いていますが、傾き過ぎると反り腰になってよくありません。 骨盤が過度に前傾したり後傾したりすると、上体が倒れそうになるので体は無意識にバランスをとって背中が丸くなります。これが猫背と骨盤の関係です。
骨盤とがに股の関係
太ももの筋肉は骨盤から始まって、膝について終わります。 体の動きは、筋肉が短縮して骨が引っ張ることで行われますので、太ももの筋肉の短縮が骨盤や膝の向きをかえ、がに股や内股になるわけなのです。

股関節が外旋して膝が開いたガニ股

股関節が内旋して膝が内を向くのが内股
まず、太ももの筋肉には、外側につくものと内側につくものがある事をイメージしてください。 外側の筋肉が短縮すると膝が外に引かれて(外旋して)がに股になり、内側の筋肉が短縮すると膝が内側に引かれて(内旋して)内股になります。 先ほどの骨盤が傾いた状態では、それぞれの以下の太ももの筋肉が短縮します。
前傾なら、太ももの前側の外側広筋(外旋筋)や大腿筋膜張筋(内旋筋)、 後傾なら、太ももの後ろ側の大腿二頭筋(外旋筋)が主に短縮します。 ※理論上は骨盤前傾だと内股になるはずなのですが、日常的に内側よりも外側の筋肉が使われるためか、前傾でも後傾でもがに股になってる人が多いようです。
骨盤が前傾・後傾するそれぞれの理由
骨盤が前傾する理由は普段の姿勢

デスクワークは骨盤が前傾する
一般的には若い人や中年位までの年代では骨盤が前傾している人が多く、高齢者になると後傾する人が多くなります。 骨盤前傾になる原因としては、ふだんデスクワークなどの座っている姿勢で長時間股関節を曲げていたために、太ももの前の筋肉がその状態で固まってしまい、立っている時も骨盤の前側を引き下げることが上げられます。
高齢者の骨盤が後傾する理由
高齢者になって背中やお尻の筋肉が痩せてくると、立っている時の体を支えるのがつらくなってきます。 筋力が低下した状態で体を引き起こそうとするとそのままでは体を支えられないので、自然とお尻を前にいれこむようにして、上体を骨盤の上に乗せる姿勢になってしまうのです。 お尻を前に入れ込んだ姿勢では、骨盤は後傾しています。 この姿勢でずっといると太ももの後ろの筋肉が短縮して固くなり、骨盤が後傾した状態で固定してしまうのです。
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小林篤史・著『一生曲がらない背骨をつくる 姿勢の教科書(マキノ出版)』
間違ったがに股の矯正方法
がに股の矯正方法として、以前より良く紹介されているものがありますが、 実はそのままやっても効果は薄いです。 なぜなら、がに股になる原因がそのままだったり、体に無理なやり方をしているからです。 以下でそれぞれについて書きます。
内転筋を鍛える方法

内ももでボールをはさむがに股改善は間違い
太ももの内側の筋肉(内転筋群)を鍛えて、膝を寄せるやり方です。 よくバレーボール大の柔らかいボールを使ってます。 確かに、”太ももの内側の筋力が外側より弱い”ために膝が開くので、内側の内転筋を鍛えることは悪くありません。 ですが、そもそも膝を外に開かせる筋肉の短縮がそのままなのに、内転筋だけ鍛えても効果は薄いです。 まず、がに股の原因である骨盤の傾きや太ももの外側の筋肉の短縮を解消しましょう。
つま先をまっすぐ正面に向けて歩く

歩くときに爪先を前にむけると窮屈
開いた膝の向きを歩行動作で矯正するやり方です。 実際にやってみるとわかりますが、足がきゅうくつで歩いていてふらついてしまい、長く続けるのは難しいです。 似たやり方で、「つま先は軽く開いて膝だけ正面向け」というのも聞いたことがあります。 一見歩きやすいのですが、つま先と膝の向きがねじれているために膝を傷める原因になってよくありません。 どちらも体に無理な歩き方といえます。
おススメのがに股矯正方法は2つのストレッチと後ろ歩き
まず、根本原因である太ももの筋肉の短縮をとり、歩き方も練習しましょう。
太ももの前面のストレッチ

太ももの前の大腿四頭筋や腸腰筋のストレッチ
骨盤が前傾している場合は、太もも前面のストレッチで筋肉の短縮を伸ばしましょう。
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- 足を前後に大きく開きます(左右の足幅は10cmほど離すと安定します)
- 前の膝を深く曲げて体重をかけ、後ろ足の踵をあげて股関節の前面を10秒間伸ばします。
- 手をあげると体が反るので、よりストレッチ効果があります。
- 反対側も同じようにします。
- 毎日1回、継続してください。
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※「伸びて気持ちが良い」感じを味わってください。 痛みを感じる時は、やりすぎです。
太ももの後面のストレッチ

太ももの後面のハムストリングスをストレッチ
骨盤が後傾している人は太もも後面のストレッチです。 1.両足を前に伸ばして座ります 2.膝裏が床から離れないようにして股関節から体を前傾します 3.息を吐きながら前傾して、とまった所で10秒キープ 4.ゆっくり息を吸いながら体を起こします 5.毎日1回継続してください。 ※背中を丸めると前屈してる気持ちになりますが、 実際には太ももの後ろはそんなに伸びていません。 背中はまっすぐに伸ばしたまま、股関節を折るようにしてください。
ストレッチは「伸びて気持ちがいい」ところまでキープしてると自然と伸びますが、 「痛い」と感じるまでやると、かえって体に力が入って伸びません。 なので、息を吐きながら伸びる所までで十分です。
後ろ向きに歩いて内股を絞める

後ろ向きに歩いて内ももをしめるくせをつける
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- 太ももの筋肉をストレッチで伸ばしたら、膝を寄せて歩く練習です。
- 始める前に床や地面が平らで危険がない事を確認します。
- 後ろ向きで、内腿が離れないようにゆっくり10歩歩きます。
- 10歩歩いたらその位置で立ち止まり、内転筋が働いている感覚と膝の向きを確認してください。
- 普通に前向きで歩く時も、3の感覚を意識してクセをつけるようにしてください。
- 毎日1回、継続してください。
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骨盤をまっすぐ立てて猫背も改善!!
太ももの筋肉をストレッチし、がに股を改善したら、骨盤の傾きと猫背も矯正しましょう。
骨盤をまっすぐに立てる
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骨盤がまっすぐ立つようにする

椅子に座るときも骨盤を立てる
骨盤をまっすぐにするためには、あるポイントがあります。 それは、骨盤の下の方にはある尾骨という小さい骨、もしくはお尻の穴です。 どちらか、イメージしやすい方を真下にむけるようにしましょう。 そうすると骨盤がまっすぐに立った状態になります。
背すじを伸ばして猫背を矯正
骨盤がまっすぐになると、背すじもまっすぐに伸ばしやすくなります。

身長測定のイメージで身体をまっすぐに
もし、いきなり言われてもどういう姿勢がまっすぐかわからない時は、壁や柱に踵をつけて後ろ向きに立ってみてください。 踵・お尻・背中・後頭部の4点がつけばまっすぐです。 身体測定で身長を計るときのイメージですね。 やってみて、もしも4点うまく壁につかない場合は 肩や首の筋肉が猫背の形に固まってしまっています。 こちらの記事のストレッチを参考に改善し、 またまっすぐに立ってみてください。
まとめ
がに股と猫背は、実はバラバラに起きているわけではありません。 体は全体でバランスをとるようにできているので、すべて関係があるのです。

身体全体で姿勢を正しくする
がに股を矯正することは骨盤の傾きのゆがみを正し、猫背の原因を解消することにも直結しています。 ストレッチと後ろ歩きでがに股の原因を解消したら、ぜひ女性らしいまっすぐな足のラインと、美しい立ち姿のクセを身に着けてくださいね!
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