
【著名人姿勢診断】は「姿勢から見て、どんな性格でどんな疾患になりやすいか?」「こういう姿勢の方は、どう治せばいいのか?」などをお伝えしています。第四回は野球の世界一を決めるWBCにおいて、日本代表の小久保裕紀監督についてです。
小久保監督の生い立ち
小久保監督は、1971年和歌山県で生まれます。幼少期に両親が離婚、幼少期は柔道部で母親がきっかけで野球を始めるようになったようです。
小学1年生で野球部に入部しました。非常に厳しかったため、辞めることを決意したようですが、甘えさせてはいけないと、母親が嫌がる小久保少年を無理矢理グランドに連れて行ったようです。プロを目指したのは小学2年生で、そこから目標はぶれなかったらしいです。
また文武両道で、授業中寝たことも宿題を忘れたことも無く、常に成績はクラスで5番以内だったといいます。青山学院大学時代でも、3年時で単位も取得。4年生では野球に完全に専念できる環境だったようです。
※Wikipedia参照
小久保監督の選手としての実績とケガ

ダイエーホークスに入団 ※小久保裕紀オフィシャルサイトより
小久保裕紀監督のことを世間が知っただろう出来事は、青山学院大学時代に大学生で唯一バルセロナオリンピック野球の日本代表に選ばれたことだと思います。この大会で本塁打2本を含む活躍を収め、のちに福岡ダイエーホークス(現福岡ソフトバンクホークス)へ逆指名にて入団が決まります。
選手としてはスラッガーとして活躍し、本塁打413本(日本歴代16位)を放つ等記録も収めましたが、右肩(関節唇損傷)や親指、背中、首などを傷め、2003年には右膝を大ケガをし、1年間を棒に振ります。選手になって8回手術していると聞いたことがあります。
小久保監督の姿勢は、素晴らしい

小久保監督の姿勢は素晴らしい
さて小久保監督の姿勢についてです。ケガが比較的多いので姿勢が悪いのでは、と一瞬専門家目線で感じてしまいます。
しかし小久保監督の画像、写真をいろいろ拝見したときに思ったことは、外観からだとあまり悪いところって見受けられないのです。むしろ姿勢はいい感じがします。
これはあくまでも考察なのですが、幼少期の母親の教育が影響を与えているのではと感じています。生い立ちの中で、「非常に厳しかったため、辞めることを決意したようですが、甘えさせてはいけないと、母親が嫌がる小久保少年を無理矢理グランドに連れて行った」と書かれていました。これは相当厳しく指導していたんだと思います。
また「小学2年生からプロ野球選手を目指し、それはずっとブレなかった」ということは、この頃から胆力が備わっていたと考えます。私たち専門家が姿勢を整えるのに骨盤から行なうのですが、それは骨盤付近に重心があるからで、ここがゆがんだり傾いたりすると、良い姿勢が作れないのです。また俗にいう「肚の座った姿勢」が作れないのです。
(姿勢についてはコチラの書籍でより詳しく解説しています⇒『一生曲がらない背骨をつくる 姿勢の教科書』(マキノ出版))
そういった意味で、常にキャプテンや理事長など重職を歴任してきたところを見ると、人格者だということは誰もが認めるところです。
なぜケガが多かったのかを考察する

選手生命に関わるケガが多かった ※小久保裕紀オフィシャルサイトより
小久保監督は現役時代ケガが多かったのですが、今までのケガを総合していくつかの原因を推測して見たいと思います。
小久保監督がしたであろうケガの種類
内部にいた人間ではないことをご了承頂き、インターネットで調べた限りだとこのようなケガをしています。
右肩関節唇損傷
右手親指内側側副靭帯損傷
脇腹痛
背筋痛
右ひざ前十字靭帯断裂・内側靭帯損傷・外側半月板損傷
右手親指内側側副靭帯部剥離骨折
肋骨骨折(2度)
左手三角線維軟骨複合体損傷
首痛
右手第一末節骨剥離骨折
腰椎椎間板ヘルニア
軟骨系が弱い可能性

手首や椎間板など軟骨系を痛めることが多かった
この上記をリストアップしたときに、軟骨系が弱かった可能性があります。小久保監督は現役時代「どんな練習にも耐えうる強い肉体があった」とコーチが言っておりましたが、肉体が強くてもその動きに耐えうる関節がなければ、それが仇となり痛めてしまうことがあります。
特に右投げの選手が痛めやすいであろう右肩関節唇は、肩関節の受け皿になる軟骨部分です。右打ちの選手が痛めやすい左手首の三角線維軟骨結合体は、手首の関節にあります。また腰の椎間板ヘルニアを起こしたことも加えると、線維軟骨系が弱い可能性があります。
小久保監督の健康管理計画案
プロ野球の監督なので、トレーナーなど身体のケアも行なわれていると思いますが、私だったらこういうケアを行なうということを挙げておきます。
1、背骨周りのケアは入念に

椎間板周りのケアを!
おそらく腰椎の椎間板ヘルニアになったということは、次の二つが考えられます。1つは前述のように「軟骨系が元々弱い」ということ。もう1つは「腰椎の椎間板に負担がかかりやすい」ということです。前者の場合は頚椎の椎間板も痛める可能性があります。後者の場合はその負担となるゆがみなどをしっかりとっていくと、予防できます。
どちらにしても脊椎周りの管理はしっかり行なった方がいいということです。
2、胃腸の管理

胃腸の管理は入念に!
WBCの際に、「ゼリーしか喉を通らない」というくらいの極度のプレッシャーが襲っていると聞きました。本当に日本代表を背負うということは、我々が想像しがたい激務なのだと思います。あの王監督も胃ガンにかかり、イチローも胃潰瘍になったくらいです。まだまだ必要な人財です。しっかり胃腸の管理はして欲しいです。
最後に
この記事を投稿したのは、WBC準決勝の前ですが、姿勢から見ても小久保監督は選ばれるべきして選ばれた人財だと考えました。結果は運にもよるところもありますが、小久保監督は人望が厚くしっかり導いてくれる監督だと改めて感じました。
背中で引っ張れる人は素晴らしいですね。
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