
猫背とは一般的に背中が丸くなることを指します。
背中が丸いだけだと、前後方向の変化ですよね。
ですが、実際にあなたの周りの人たちやご自身の体を一度じっくり見てみてください。 前後方向で丸くなっているパターンだけでなく、左右方向への変化、つまり左右の肩の高さが違ってるようなことはないでしょうか?
また、左右にふり向く時も「右側は後ろが見えるくらい向けるけど左は横を向くのが精一杯」、あるいは「後ろを向こうとすると体ごとふり向いてしまう」というようなこともあるのではないでしょうか。
そういう横方向への変化は、姿勢の「ゆがみ」や「ねじれ」が原因と言えます。 「ゆがみ」や「ねじれ」は単なる猫背以上に体に負担がかかり、加齢とともに痛みや運動に障害が出るリスクがあって良くありません。
下記で「ゆがみ」と「ねじれ」について書きます。
体の「ゆがみ・ねじれ」とはどういう状態か?
先ほど「左右の肩の高さが違う」ことや、「左右で向きやすい方向と向きにくい方向がある」ことに触れました。 繰り返しになりますが、これは体の左右のバランスが崩れているのが原因です。
ゆがみは肩の高さの違いに現れる
例えば、肩こりの人で、左右のコリ具合が違うような場合、コリがひどい方が反対側より低くなります。
それは左右の身体の動作のアンバランスさにより、筋肉だけでなく骨格も歪んでいるのが原因です。
ねじれは左右の向きやすさの違いに現れる
一方、捻じれとは横や後ろの向きやすさで左右で違うことで実感されます。 その左右差は日常生活の習慣の結果ですが、いつも動かしている側の筋肉や靱帯のような軟部組織は動きが良く、あまり動かさない側は動きが悪くなってくることによります。
「ゆがみ・ねじれ」が起こる原因
先ほども書きましたが、「ゆがみ・ねじれ」の原因は、普段の姿勢や動作のクセです。 人間には利き手・利き足があり、よっぽど意識して使いわけない限り常に同じ側をメインに使っています。
その結果、骨格や筋肉がねじれた状態になり身体にコリや痛みを感じるようになることが問題なのです。
日常生活の中のねじれの原因には、意外と食卓のレイアウトなども関係あります。 例えば、家族3人とか4人で食卓を囲む時に、テーブルの横に座って自分の右側にテレビがあるような場合、つい右をむきますよね。 何年も右側を向く動きをししていると、だんだん体に右を向きやすいクセがついてしまうのです。
同様に、野球のバッティングやゴルフのスイングも通常、一方方向へしか体を捻りません。 そうすると、やはり身体に向きやすい方向というのが出来てしまいます。 若くて元気なうちはそれでもまだ耐えられますが、中高年になって筋肉量が低下したり体の柔軟性が低下するとコリや痛みがおきてきます。 さらにそのまま高齢者となってしまった場合には体がねじれたまま背中が丸まってしまい、歩行器を使わないとまっすぐ歩けなくなるようなリスクがあります。
なので、自分の姿勢の「ゆがみ・ねじれ」に気が付いたら、 早目に姿勢を改善する必要があります。
「ゆがみ・ねじれ」を矯正する方法はストレッチと動作のバランス改善
1.ストレッチで左右のゆがみ・ねじれを改善
骨盤周りのストレッチ
姿勢を矯正する時、土台となるのは骨盤です。 骨盤体の中心にあって、全身の筋肉の中継点でもあります。
なので、「ゆがみ・ねじれ」を矯正する時は、まず骨盤周りの筋肉を見直します。
具体的にはすぐ下の太ももの筋肉、股関節、ウエスト周りです。それから背中や肩という風に全体を伸ばしていきましょう。傾いている側やねじれ(ねじられ)ている側の筋肉は、反対側に比べて固く短くなっているので、その筋肉をよくストレッチで伸ばしてあげましょう。
ふとももの前を伸ばすストレッチ
① 壁や柱に手をおいて右足で立ち、左膝を曲げ、左手で左足の甲を持ちます。
② 両膝が離れないように左手を引いて、太ももの前を伸ばします
③「伸びて気持ちがいいなあ」という所までで10秒キープしたら、反対も同様にします
ふとももの後ろ側を伸ばすストレッチ
① 床に座って両足を伸ばします
② 息を吐きながら前屈し、いっぱいまで伸ばしたところで10秒キープします 無理にやろうとすると力が入ってかえって伸びません。 息を吐きながら「伸びて気持ちがよい」ところまでで十分です。
股関節前面のストレッチ
① 足を前後に開き、前足の膝に体重をかけていきます
② 後ろ足のつけ根の前側が伸びたら、10秒キープします
③ 反対側も同様にします 余裕があれば写真のようにバンザイして体をそらすとさらに効果的です。
ウエストのストレッチ
① 肩幅に足を広げて立ち、両手で脇腹をソフトにつかみます
② 柔らかくつかんで、筋肉の中に固い部分をみつけたら、そこをもみもみしてください
③ 1分ほどもんだら、左右にツイストして左右が同じくらい向けるか確認してください
ウエスト(脇腹)の筋肉が固くなってくると骨盤をロックして動きを悪くしてしまいます。 よって、このストレッチでマメにほぐすようにしてください。
肩甲骨周りストレッチ
① 写真のように両肘を横に張ります
② ゆっくりと前から後ろに10秒かけて肩を回します(腕の動きに合わせて一緒に肩甲骨も動かします)
③ 一番後ろまで肩を回したら、脱力して「ストン」と肩を落とします
背骨と首のストレッチ
① 足を肩幅に開いて立ち、一度前屈して脱力します
② 腕を上げながら体を反らせ、胸を突き上げるように顔も上を向けます
③ 体全体で斜め45度を上を向いたまま10秒キープした後、「ストン」と脱力して横から手をおろします
全部やっても3分程度ですので、毎日続けるようにしてみてください。
1回でもスッキリ感が味わえますが、しばらく続けていると、身体の動きがやわらかく変化していく実感も味わえます。
2、左右を同じように使う
いつも片方ばかり使うから「ゆがみ・ねじれ」が起きるのです。 意識して反対側を使うようにしましょう。 例えば、
- いつも同じ側の手でカバンを持っているのなら逆にする
- いつも右から歩き出してるなら逆にする
- 食事の時、右側にテレビがあるなら逆の位置に座る
- 食事の時、いつも右の奥歯で噛むなら逆で噛む
「歩き出し」についても説明します。
人の身体は、一歩目で右足を前に出すと骨盤が左に捻られます。 動き出す時は一番身体に力が入りますので、いつも右から歩きだしていると、骨盤を左に捻るクセがついてしまいます。 骨盤は姿勢の土台ですから、それが捻れていると体全体も捻れてしまうわけなのです。
なので、意識して左足から歩き出すようにしてみましょう。 身体のアンバランスをリセットするのです。 もちろん、左足から歩き出している人は右足から行ってください。
まとめ
私たちの身体は日々の仕事や家事をこなすうちに、猫背のような背中が丸いという前後方向の変形だけでなく、左右方向への「ゆがみやねじれ」といった身体の不良姿勢になってくることがあります。
それは普段の姿勢や動作によって起こり、日々繰り返されることでクセになってしまいます。
そのまま歳をとって骨格や筋肉が弱くなると普通に歩く事にも不自由することになるリスクがあるので、気が付いたら早めに矯正しましょう! もし自分一人で改善できない場合は、お近くの姿勢専門の治療院にご相談ください!! たとえご高齢の方でも少しずつ改善していくことは十分可能です!!
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