
朝起きても疲れがとれない、という場合
たいてい眠りが浅いとか睡眠の質に問題があるわけですが、
寝ている間の歯ぎしりが原因のこともあります。
寝ている間の歯ぎしりは自分ではわからないものですが、
ご家族から指摘されたり、
顎周りが疲れていたりすることで判別できます。
歯ぎしりに対しては、歯科医でよくマウスピースが処方されますね。
ですが、実はそういう対症療法だけでは不十分です。
なぜなら、歯ぎしりは寝ている間も
心身の緊張状態が続いていることが本当の原因だからです。
そして歯ぎしりしている人の中には、
頭痛や肩こりも併発している事が多く、
それは普段から無意識に猫背になってしまっていることと関係しています。
以下で、歯ぎしりについて書きます。
2つのストレスが歯ぎしりの原因
心身の緊張状態が続く原因とはストレスです。
なので、ストレスを解消しなければ、
根本的な解決にはなりません。
そしてストレスには精神的なものと身体の構造的なものがあります。
精神的ストレス
普通、ストレスといえばまずこちらですね、
精神的なものでは人間関係が最も多いです。
そのほか、仕事や勉強でイヤダイヤダと思うようなことなど・・・。
適度なストレスは人間を強く成長させますが、
自分の許容量を超えたストレスや、
上手に対処できないストレスは心身を消耗させ、
うつや不眠、胃潰瘍など様々な症状を引き起こしてしまいます。
身体の構造的ストレス
この身体の構造的なストレスとは猫背のことです。
猫背で顔が前に出ている場合、首や肩の筋肉に常に負担がかかって
ガチガチに硬くなってしまいます。
特に首の前の筋肉(胸鎖乳突筋)は上は顎、下は鎖骨についてますので、
「顎を噛みしめる」などの動きにも深く関係してきます。
試しにわざと肩を前に出した巻き肩になって、
顔を前に突き出すような猫背姿勢にしてみてください。
その状態で何度か口を大きく開けてみると、
なんだか顎周りが動きにくくないでしょうか?
次に背筋をのばし、顔を後ろにひいて
姿勢を良くして先ほどと同じように口を大きく開けてみてください。
今度は顎がスムーズに動くと思います。
このように姿勢によって、
顎の動きやすさは違ってきてしまうのです。
また、鎖骨周りの筋肉(鎖骨下筋など)は、
巻き肩では短縮して固くなっています。
首の前の筋肉と筋膜でつながっているので、
巻き肩も首の筋肉が硬くなる原因なのです。
また、普段の猫背姿勢が悪い事は勿論ですが、
寝ている間の枕の高さも重要です。
枕の高さがあっていないと、
寝ている間首の骨のカーブが不自然になり、
首に過大な負担がかかるので、やはりよくありません。
猫背を矯正するとストレスも解消される
構造的ストレスを解消
猫背で首の筋肉が硬くなるわけですから、
姿勢をよくすれば構造的ストレスは解消します。
今はスマホやパソコンの長時間使用で、
顔が前にでたり巻き肩の猫背になっている人が多いので、
そこから見直していきましょう。
パソコンを使う環境を見直す
パソコンのモニターが低すぎたり、
キーボードとの距離が近すぎたり遠すぎても
猫背になってしまいます。
一度椅子の高さも含めて、自分の体が不自然な姿勢にならないように調整して
パソコンを使用する環境を見直してみましょう。
スマホは目の高さに持ち上げて使う
スマホを使う時は胸元にスマホをもって、真下を見るようにしている人が多いです。
ですが、それは顔が前に出る猫背(スマホ首)になるのでよくありません。
なので、目の高さまでスマホを持ち上げて使うようにしましょう。
そのほか、「スマホを見る時間を1日○時間まで」とか「寝る前はスマホを見ない」とか
使用時間を制限するのも有効です。
精神的ストレスも解消!
猫背を矯正すると、なんと精神的ストレスも解消されます。
というのも、人間の気持ちも姿勢に左右されるところがあるからです。
誰でも、落ち込んだり、イヤな事があると自然と猫背になりますよね?
逆に猫背で長時間いると自然と気持ちも後ろ向きになります。
また、猫背だと胸がつぶれたままで浅い呼吸しかできないために
脳や体が酸欠になり、元気や活力も出てきません。
なので、姿勢を良くすると前むきな気持ちになってきます!
しかも胸が大きく広がるので、活力の元である酸素もたくさん摂取でき、
だんだんと精神的ストレスに立ち向かう力が湧いてきます!
長年の猫背グセがついた体はストレッチや猫背矯正で改善!
「姿勢を良くする」、と一口に言っても、
長年猫背でいると体にクセがついてしまって
すぐにはできないか、できても長続きしません。
ガチガチに硬くなった筋肉がつっぱっていたり、
背筋をまっすぐにすると逆に姿勢が悪い気がするためです。
そこで一度ストレッチで硬くなった筋肉を伸ばす必要があります。
首の筋肉のストレッチ
1、一度顔を前に大きく突き出します
2、ゆっくりと10数えながら顔を後ろに引きます
3、一番後ろに引いた時は、うなじを上に伸ばすようにして顎を引いてください
4、その顔の位置を体で記憶するようにしてください
肩の前面のストレッチ
1、腕を横にあげて肘を曲げます
2、ゆっくりと胸を開くように腕を後ろにひきます
3、いっぱいまで引いたら10秒キープ
4、脱力して腕を下し、その肩の位置を体で記憶してください。
10秒ほどの短いストレッチですので、毎日継続し
体で良い姿勢を記憶するようにしてください。
今回のテーマは歯ぎしりなので、首と肩の2つのストレッチのみですが、
本当は骨盤から矯正しないと姿勢は良くなりません。
骨盤からの矯正についてはこちらの記事をお読みください。
参考:ガンコな猫背は「ねこ背は10秒で治せる!」を読んで治そう!
まとめ
寝ている間の歯ぎしりは睡眠の質を下げ、疲労感が残ります。
歯ぎしりは、寝てい間もストレスで心身の緊張が続いていることが原因だからです。
緊張したままでは、休息も回復もできません!
ストレスとは、精神的なストレスと猫背の構造的ストレスの2つがあり、
どちらも猫背になっている事と深い関係があります。
なので、猫背を矯正すると2つのストレスの解消効果があります。
具体的には、上記のように自分の仕事環境を整えたり、
ストレッチによって猫背を矯正していきましょう!