
「風薫る5月」なんていう言葉がありますが、
5月も中盤をすぎると暖かな日が続き、
おでかけやスポーツなどアウトドア向きの陽気になりますね。
それだけなら何も言う事はないのですが、
スポーツに熱中するあまり、
ついやりすぎて体を傷める方もでてきます。
今回はその中で、肘の痛みについて書きます。
肘の痛みはフォームが悪い不良姿勢が原因
野球肘やテニス肘など、スポーツで肘を傷めるのは
猫背のような不良姿勢が原因です。
というのも、本来、球技スポーツで良いパフォーマンスを上げようとするなら、
全身の動きを連携させて、無理なく力をボールの一点に伝達する必要があります。
ですが、初心者や自己流でやっている場合、
たいてい姿勢やフォームが崩れて猫背になっているので、
体の使い方がバラバラで連携できず、ボールに力が集中しません。
その結果、”無理やり”ボールにパワーを伝えようとして、、
肩や肘に”無理な負担”がかかり続け、肘を傷めることになるわけです。
つまり、普段の姿勢の悪さにより体の使い方=フォームが悪いので、
体の一点(肘)に無理な負担がかかり続けて傷めてしまうのです。
野球肘・テニス肘の原因と治療法
野球肘・テニス肘の原因
野球で肘を傷めた人は「野球肘」で、テニスだったら「テニス肘」
ただ、それだけのことでそれらは正式な病名ではありません。
正式な病名は「上腕骨内側上顆炎」とか「上腕骨外側上顆炎」と言います。
野球肘では肘の内側、テニス肘では外側を傷めることが多いのですが、
実際にはそれまでの肘の使い方によってどちらにも痛みが出るようです。
野球では手投げによる投球動作、テニスでは主にバックハンドでが原因で、
使い過ぎ=”オーバーユース”で疲労が蓄積する事に加え、
ねじり動作が加わることも悪化させる原因となります。
野球肘・テニス肘の治療法
どちらの場合も徐々に症状が悪化するので、
初めのうちは「ちょっと痛いな」程度で放置されがちです。
ですが、放置して悪化すると疼痛がひどくなるだけでなく、
その分治りも悪くなり、好きなスポーツが楽しめなくなる危険があります!
そうならないよう、痛みに気が付いたら
すぐに病院や整骨院へ行くようにしてください。
手当てが早ければそれだけ回復は早いです。
治療方法は、以下のようになります。
- 病院・整骨院での診断・療養
- 安静・休息(練習後はアイシング)
- 練習量をセーブする(1回の練習時間や練習日を減らす)
- 痛みが和らいできたら肘のストレッチ
- 姿勢を良くしてフォームの改善
例えば、病院・整骨院ではそこの先生の指示や
アドバイスに従ってください。
患者様の症状に合わせて適切な処置とアドバイスをしていただけます。
練習日や練習量の管理に関しては、
もしコーチやトレーナーの方がいるならその方に相談し、
いないなら自分で管理表を作って守るようにしましょう。
具体的な数字はこちらをご参考になさってください。
参考:「野球肘とテニス肘」
痛みが出ている間はくれぐれも無理は禁物です。
痛みの治療はあくまで対症療法、根本療法は姿勢の矯正
これまでに書いてきたことは、対症療法といって、
まず炎症を治して痛みをとめる方法です。
ですが、そもそもの不良姿勢の猫背を矯正し、
手投げのような肘に負担のかかるフォームを改善しなければ、
また症状が何度でも再発してしまいます。
そうならないように猫背、つまり根本から体を良くしていきましょう!
いきなりの筋トレはNG
猫背を矯正する場合でも肘の痛みを改善する場合でも、
いきなりの筋トレはNGです。
なぜなら根本の部分がそのままなのに筋肉だけつけても、
猫背の上に筋肉が上乗せされるだけですし、
増えた筋肉の力が肘関節の軟骨や靱帯に負担をかけるだけだからです。
まずはストレッチで良い姿勢を作り、その上で必要な筋肉を徐々につけるべきです。
巻き肩を矯正して肘への負担を解消
野球の場合で説明すると、肘を傷める”手投げ”は、
肩の猫背=巻き肩が直接の原因です。
巻き肩は、肩が前に出たまま固定されているので、
大きく振りかぶる事や腕を高く上げることができないからです。
テニスのバックハンドも大きく肩が後ろに開かなければ、
手の力だけに頼る割合が大きくなってしまいますよね。
巻き肩を改善するストレッチ
1、足を肩幅に開いて立ち、両肘を横にはります
2、肘で円を描くイメージで後ろ向きにゆっくり肩甲骨を回します
3、肩が一番後ろの位置に来た所で、脱力して肩・肘を落とします
4、1セット10回で、毎日1回、3ヶ月継続してください。
巻き肩は、実は肩の前面が短縮して固まっています。
このストレッチで大きく肩を回して、前面を伸ばしてください。
肩周りが柔らかくなり、巻き肩が改善されたら、
普段の野球の投球、テニスのバックハンドも
大きく肩から動かすようなフォームを意識してください。
勿論、人によっては、背中が丸い猫背もあるでしょう。
その場合は、こちらの記事をご参照ください。
参考:ガンコな猫背は「ねこ背は10秒で治せる!」を読んで治そう!
まとめ
野球肘やテニス肘も、実は巻き肩の猫背が関係します。
巻き肩だと肩を大きく後ろや上に動かすことができません。
その結果、むりやり肘でパワーを出そうとするので、
過大な負荷が肘にかかってしまうのです。
なので、野球肘・テニス肘になったら、
まずは病院・整骨院の診断・療養と
安静で痛みを回復させましょう!
その上で巻き肩を矯正し、フォームを改善すると再発予防にもなります。
好きなスポーツで体を傷めることは残念な事ですし、
痛みで続けられない事も悲しい事です。
ぜひこの適切な予防と改善をなさってください!!