
猫背を一言でいうと、猫のような「背中が丸い」姿勢ですよね。
ですが、実際に猫背の人を良く見ると、
背中が丸いだけでなく顔が前にでていたり、
肩が前に出ていたりすることも珍しくありません。
中には、背中はまっすぐなのに、
顔が前に出てしまっている「首猫背」の人もいるほどです。
つまり、最近の猫背とは「背中が丸い」だけではないようなのです。
なので、どのような猫背なのかタイプ別にわけて、
その人はどこが丸いのか?
どうすれば改善するのか?
この点を細かく見ていく必要があるわけです。
といっても、自分で見てすぐにわからない猫背も出てきました。
それが、「かくれ猫背」というものです。
一見、良い姿勢に思えるのですが、
実は猫背なので腰痛や首・肩のコリも慢性的に抱えています。
そういったつらい症状を改善するために「かくれ猫背」のチェックポイントを確認し、
問題点を解決して姿勢をよくしていきましょう!
<かくれ猫背とは?>
先ほどもいいましたが、「かくれ猫背」とは、猫背が自分で見てもわからない猫背のことです。
そういう人は、例えていうなら、小学校でならう「気をつけ」みたいな姿勢をしています。
ご本人は、胸をピシッとはって背すじが伸びているので、とても”やってて背すじが伸びて気持ちが良い感じ”がしています。
・・・・ですが、
それはあくまで”良い感じ”であって、本当に”良い姿勢”ではありません。
横から見ると、下の図の右端のように腰から上の所で上体が後ろに倒れています。
そのままでは前が見えないので顔が前にでたりしています。
良い姿勢とは、体が足の裏から頭のてっぺんまでまっすぐに立っていることをさします。
だからいくら背すじがまっすぐ伸びていても、
腰の反りが強かったり顔や肩が前に出ていたら
それは良い姿勢ではありません!
普通の人はそこまで細かく言われたことないので
”背すじさせ伸びていれば「良い姿勢」”だと錯覚してしまっているのです。
それが「かくれ猫背」という状態です。
<なぜ「かくれ猫背」になるのか?>
かくれ猫背は普段の姿勢が原因になっているわけですが
骨盤が前傾することで上体が後ろにそらされることによります。
そして骨盤が前傾する理由の一つとして、長時間のデスクワークが考えられます。
ずっと座った姿勢でいることにより、
太ももの前側にある大腿四頭筋や体の中の腸腰筋が
短縮したまま骨盤を前傾させた状態で固まってしまうのです。
骨盤が前に前傾するとその上の背骨も前に傾き上体は前にたおれてしまいます。
そうならないように無意識に身体を起こすために
だんだん上体が後ろに倒れていってしまうようです。
「かくれ猫背」のチェックリスト・半分以上でアウト!
「姿勢がいい」と自分で思っていても、以下のチェックリストで当てはまるものが多いなら
あなたは「かくれ猫背」の可能性が高いです。
それでは、Yesがいくつになるか数えてみてください。
(迷った場合は、「どちらかといえば」で決めてくださいね。)
- 慢性的に首や肩がこる
- 定期的に頭痛がある
- なんとなくいつも腰が重い
- 椅子に座っている時、お尻が前にすべり、背もたれに寄りかかっている
- 長時間すわっていると腰痛がひどくなる
- ふくらはぎがよくつる
- 下腹が出ている(ぽっこりお腹)
- バストやヒップが垂れてきた気がする
- 横から撮った写真では、耳が肩より前に出ている
- 自分の写真を見た時、顔が傾いていることが多い
- 便秘気味
- いつもイライラする、またはイライラしやすい
- 寝ている時歯ぎしりが強い
- 人からは「姿勢が良いですね」と言われる
- 歩いている時、足がだるい
- 良く寝たはずなのに、朝起きると疲れがぬけない
- ヒールの高い靴をよく履いている
- 疲れやすい
これらの症状は猫背によって骨格や筋肉、
内臓や自律神経に過度の負担がかかって起きています。
さて、いくつあてはまりましたでしょうか?
Yesの数によって判定していきます。
・0~5個まで(疲労がたまり過ぎかも・・・)
必ずしも姿勢が悪いからではなく、
単に疲労がたまりすぎという可能性もあります。
適度な運動と休息で体をいたわってあげてください。
・半分の9個まで(かくれ猫背予備軍)
黄色信号です、要注意です。
ここまで当てはまるという事は、姿勢の悪さが症状に拍車をかけているといってよいでしょう。
隠れ猫背予備軍です。
・10個以上(かくれ猫背です!)
完全に赤信号!
「隠れ猫背」に間違いありません、すぐに姿勢をみなおして改善を!
「かくれ猫背」の4つの改善方法と注意点
1、ストレッチで骨盤のゆがみを改善
まず骨盤から見ていきましょう!
「かくれ猫背」の人はたいてい腰の反りが強いので、
骨盤を前に傾けている太ももの前側の筋肉をストレッチで伸ばしていきます。
(ストレッチをやる時は立った状態でも横になった状態でもどちらでも結構です。)
- 膝を曲げ、つま先をつかんで太ももを伸ばすようにします。
- そのまま膝が開かないようにして、10秒キープしてください。
- 反対の足も同様にしてください。
- 毎日1回継続してください。
そうやって太ももの前の筋肉が伸びてくると
骨盤の前傾が無くなってくるので腰の反りも弱まり、
背すじも”まっすぐ上に”伸びやすくなってきます。
2、肩甲骨回し体操で肩の位置を戻す
「かくれ猫背」では背すじが伸びて後ろにそっているために、
手を前で使おうとして肩が前に出た「巻き肩」になりやすいです。
そういう人は、たいてい、肩や肩甲骨の周りの筋肉が固くなっているので
ストレッチや体操でゆるめて元の肩の位置に戻します。
- 背筋を伸ばして座り、両手を軽く握ります。
- 両肘を前から真横に開くように10秒かけてゆっくりまわします。
- 背中側で肩甲骨を寄せるよう意識してください。
- 毎日1回継続してください。
毎日1回とは言っていますが、長時間のデスクワークの際には、
1時間ごとを目安にマメに行って頂くと、
姿勢が良くなるだけでなく、肩こりの解消効果もあります!
3、首をほぐして頭頂部を上に伸ばす
顔が前に出ている人は、首の筋肉もガチガチに硬くなっています。
首の筋肉もストレッチでほぐして、頭をまっすぐ上に伸ばしましょう。
- 力をぬいて、頭の重さで首の後ろ側を10秒間伸ばします。
- そのまま、ぐるーっと10秒かけて首を回しましょう。
- 反対側も同様に10秒かけて回してください。
- まわし終わったら、首をまっすぐ上に伸ばすようにしてください。
- 毎日1回継続して行ってください。
4、良い姿勢を身体で覚える
そうして体がまっすぐな良い姿勢になったら、
常に鏡で自分の姿勢をチェックしたり写真に撮っておいて
体でその姿勢を記憶するようにしてください。
例えば、自転車は一度乗れるようになると何も考えなくてもスイスイ走れますし、
何年も乗っていなくてもまたすぐ乗れますよね?
同じように、良い姿勢も体に記憶させれば猫背を再発させることはなくなりますし、
もしなってしまったとしてもすぐ良い姿勢に戻せるようになります!
<まとめ>
「かくれ猫背」というものは自分ではわからない猫背ですが、
先ほどのチェックリストでYesが多ければその可能性が高いです。
人から「良い姿勢ですね」と言われていても、慢性的に腰痛や肩こりがあるなら「かくれ猫背」を疑ってください!
そうして、かくれ猫背であることがわかったら、
ガチガチに硬くなった部分の筋肉をストレッチでほぐし、
鏡などを使って本当の良い姿勢を体に記憶させて解決しましょう。
もしも自分一人で上手くいかない場合は、
お近くの姿勢専門の治療院や整体院にご相談くださいね!