
「猫背の人が増えている」と言われてだいぶ経ちますが、
時間が経っているだけに猫背を矯正する人も増えてきました。
矯正する方法は人によってさまざまで、
姿勢矯正ベルトを使ったり、
整骨院・整体院で猫背矯正を受けたり、
猫背矯正関係の本を読んだりされているようです。

姿勢矯正グッズは今や市場にあふれている
試しにAmazonや楽天市場や「猫背」や「猫背矯正」を
検索キーワードに指定すると1849件もヒットし、
色々なグッズや書籍が何ページも紹介されるので改めて驚きますね。
出典:Amazon
大人の場合は、それらの手段で猫背が改善されますが、
もう一方で増えている「子どもの猫背」についてはどうでしょうか?
小学生の子どもも放っておくと猫背になりがちなのですが、
「背すじを伸ばしなさい!」とか
「胸を張りなさい!」などと、
ただ注意しているだけではないでしょうか?
ですが、残念ながらそれだけでは、
子供の猫背は矯正されません。
大人だってそうですよね?
人から「姿勢を良くしなさい」と
言われるだけでは姿勢はよくなれません。
子どもの猫背を矯正する場合には、大人の猫背と違うこともあります。
以下でそれを書きます。
子どもが猫背になる原因

子どもが猫背になる原因は日常生活の中にある
まず、子どもが猫背になる原因を考えましょう。
子どもは大人より体の柔軟性も高く、
成長する過程にあるので大人よりも猫背が矯正しやすいイメージですが、
猫背になる原因が改善されなければ矯正しても結局また猫背に戻ってしまいます。
原因を知る事で根本から矯正していきましょう。
子どもが猫背になる主な原因は以下のようなものです。
- 運動不足で体(姿勢)を支える筋力不足
- ゲーム機やスマホの画面を長時間見ている
- ゲーム機やスマホの画面を長時間見ているうちに視力が低下
- 勉強する時の姿勢が悪い・小学校のイスの座面がすべりやすい
運動不足については、今はどこに行っても
エレベーターやエスカレーターがあり
日常生活であまり体を使う機会が無くなったことや
都心部では遊び場が少ないことも関係しています。

今はスポーツをやっていないと体力がつかない時代
自分から地域の野球チームや
スイミングクラブに入って運動していないと
なかなか筋力を鍛える機会はないでしょう。
ゲームをする時や勉強する時は、
目の前のものに集中するので
どうしても背中を丸めて前傾姿勢になります。

集中しているうちに猫背になっていく・・・
また、その結果視力も低下して近視になり、
よく見ようとするためにますます猫背が進行します。
そして、意外と盲点なのが小学校のイスで、
座面がつるつるでお尻が滑りやすいです。
授業中、ずっと座って先生の話を聞いているうちに
お尻が前に滑って背もたれにもたれたような
だらしがない姿勢がくせになってしまう事もありがちです。
子どもの猫背の原因はこれらの中の一つだけでなく、
いくつかが同時に起こっていることもあります。
ですが、「こういうことが子どもの猫背の原因になる」と
まずお父さん・お母さんが理解してあげることで対策できます。
子どもの猫背矯正をする時の5つのポイント

パパ・ママが子どもの猫背を直す時のポイント
次に子どもの猫背を矯正する際に
理解しておくべきことを書きます。
- 子どもの猫背は座っている時の姿勢で見る
- 子どもは基本的に言うことを聞かない
- 子どもは理屈で言っても理解できない
- 子どもは「毎日ストレッチをする」とか言われたことが守れない
- 子どもは猫背矯正をくすぐったがる・嫌がる
子どもの猫背は立っている時や歩いている時よりも
座っている時の姿勢が問題になります。
また、子どもは飽きっぽくジッとしていることが苦手なので
大人を相手にする時のように言う事を聞かせようとしたり、
猫背の仕組みの理解させる事は無理があります。
さらにいうと、普通に整骨院・整体院で猫背矯正を受けても
くすぐったがったり、痛い事を嫌がります。
なので、対策としては、以下の5つになります。
- 座っている時の姿勢をよくする方法を教える
- 子どもが憧れてるスポーツ選手は姿勢がよい、などのたとえ話をする
- 猫背を矯正させる際は時間を極力短くする
- 自分で毎日ストレッチをやるようなことは期待しない
- 整骨院・整体院で矯正を受ける時は、子ども専用メニューがある所を選ぶ
実は子どもは正しい座り方を知りません。
なので、一度ちゃんと教えてあげる必要があります。
座っている時に姿勢を良くするコツは、
お尻の穴を真下に向けて、
背すじをまっすぐに伸ばして顎を引く事です。

「凛とした姿勢」を作る骨盤座椅子
うまくできない場合は、姿勢矯正用座椅子を使うのも効果的です。
ただし、矯正座椅子は長時間座っていると体が疲れるので、
食事の間など時間限定で使用して、良い座り方のクセをつけるのが良いでしょう。
出典:ラボネッツ「骨盤美姿勢 凛座」
また、「子どもは言う事を聞かない」とはいっても、
自分が納得すれば非常に素直になります。
その子が憧れているスポーツ選手や
偉人が姿勢が良いという例えを話してあげると
大人がビックリするくらい素直に言う事を聞いたりします。
また、「時間を短く」・「毎日のセルフケアしなくても怒らない」・「子ども専用メニューがある院を選ぶ」というのは、
子どもが猫背の矯正を嫌にならないために必要なことです。
子どもの猫背矯正をするストレッチ
子どもの猫背矯正はストレッチで行います。
普段、猫背で固まった体の筋肉や骨格を伸ばして、
動きを出していくのです。
※子ども用姿勢強背バンドも市販はされていますが、
これから背が伸びる成長期の子どもの体をバンドの力で無理やり引っ張るようなことは、
健全な成長のためによい影響があるとは思えません・・・・。
なお、ストレッチは子供だけにやらせようとするよりも
お父さん・お母さんも子どもと一緒にやって
遊び感覚で楽しくやられると良いと思います。
1、太ももの前の筋肉を伸ばすストレッチ

太ももの前の筋肉を伸ばして骨盤をまっすぐ立てる
① ふらついても安全なよう広い所で、左ひざを曲げて上げる
② 左手で左足の甲をつかみ、両膝の間があかないようにして太ももの前を伸ばす
③ 伸びているのを感じたら10秒キープ
④ 10秒経ったら反対側も同様に行う
猫背は、体の中心にある骨盤の傾きが根本原因です。
なぜなら骨盤は背骨の土台でもあるので、
土台が傾いていたら背骨もまっすぐ立ってはいられないからです。
骨盤を傾けてしまうのは太ももの筋肉の短縮なので、
このストレッチとこの後の太ももの後ろ側のストレッチで
骨盤をまっすぐ立てられるようにします。
2、太ももの後ろ側を伸ばすストレッチ

太ももの後ろの筋肉も伸ばして骨盤をまっすぐに立てる
① 床に座って両足を前に伸ばす
② 体を前傾させ、太ももの後ろを伸ばす
③ つま先を反らせ、両膝の裏が床から離れないようにして10秒キープ
④ 10秒経ったら、ゆっくりと身体を起こす
3、骨盤をまっすぐ立てて座る

座るときも骨盤をまっすぐ立てるくせをつける
ストレッチの後は、お尻の穴を真下にむける意識で、
骨盤をまっすぐ立てる感覚を体で記憶させましょう。
4、バンザイストレッチ

シンプルな「バンザイストレッチ」で背筋を伸ばす
① 椅子に座って、息を吸いながら両手を上げてバンザイをする
② バンザイと一緒に胸を反らせて顔も斜め上を見上げる
③ その姿勢で息を吐きながら10秒キープ
④ 10秒経ったらそのまま腕を下ろし、目線を下げる
すると背すじも首もまっすぐ伸びた状態になっているので、
この姿勢も骨盤と同時に体で記憶するようにしてください。
また、毎日繰り返していると少しずつ
筋肉もついてきますので姿勢を維持しやすくなります。
まとめ
子どもは体が柔らかい分、一見大人よりも猫背を矯正しやすそうですが、
飽きっぽいとか理屈が通じないとかいう点で大人よりも工夫がいります。
なので、お父さん・お母さんが一緒に遊び感覚でストレッチをするなどして、
猫背を矯正し、良い姿勢のクセをつけるようにしてあげましょう。
また、長時間ゲームや勉強をしていると猫背になりやすいので、
予め子どもには注意しておき、もしも猫背になっていたら
その場で姿勢をよくするよう声をかけてあげてください。
最初はなかなか猫背になるクセが抜けないかもしれませんが、
その都度根気よく繰り返すことでだんだん良い姿勢のクセがついてきます。