
一般人から見るのと専門家から見るのとでは、効果のある治療法は変わるもの。
では実際に腰痛において効果があった治療法を、アメリカのサイト「Health Outcome https://www.healthoutcome.org 」より1位から5位までをピックアップしてみました。
第5位 ストレッチ(Stretching)
ストレッチ参考データ
得点:2.4/5
○Cured(治った);46
○Almost Cured(ほぼ治った);161
○Improved(良くなった、改善した);2275
○Not Improved(改善していない);2441
○Worsened(悪くなった);190
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ストレッチの結果・考察
ストレッチはImprovedの方も多いのですが、それ以上にNot Improvedの方も多い結果になりました。
ただ感想を分析すると、Improvedの方は、1年以上の長期間続けた方、今も継続して行なっている方に多く、Not Improvedの方は1ヶ月以内の短期間で判断していることが多く見受けられました。
腰痛患者は、腰の筋肉が固まっているケースが多く、また股関節が固いために腰への負担が増大していることもしばしばあります。
それらの筋肉を時間をかけて継続して伸ばしていくことは、有用であると考えられます。
第4位 減量(Weight Loss)
減量参考データ)
得点:2.5/5
○Cured(治った);28
○Almost Cured(ほぼ治った);55
○Improved(良くなった、改善した);802
○Not Improved(改善していない);1036
○Worsened(悪くなった);54
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減量の結果・考察
ストレッチと同様、こちらもImprovedよりNot Improvedの方も多い結果になりました。
ただ結果を見てみると、腰痛で減量をされる方は、ストレッチやNSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)などを併用しているケースが多く、これだけでは判断しづらいものと考えます。
ただ体重が多い方は、1kgでも減らすと腰への負担が減ることは運動学的にわかっています。
腰痛のために減量というものは視野に入れてもいいかもしれません。
第3位 サプリメント(Supplements)
サプリメント参考データ)
得点:2.6/5
○Cured(治った);14
○Almost Cured(ほぼ治った);35
○Improved(良くなった、改善した);582
○Not Improved(改善していない);1268
○Worsened(悪くなった);22
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サプリメントの結果・考察
ストレッチや減量と同様、それ以上にImprovedよりNot Improvedの方も多い結果になりました。実際の声でも「サプリメントでは改善しなかった」というものが多く見受けられます。
しかしWorsenedが少ないことで、3位という比較的高評価になっている感じがします。
またどんなサプリメントを利用した結果かが書かれていないので、正しい判断をしかねる結果になっています。
第2位 ヨガ(Yoga)
ヨガ参考データ)
得点:2.8/5
○Cured(治った);21
○Almost Cured(ほぼ治った);47
○Improved(良くなった、改善した);372
○Not Improved(改善していない);294
○Worsened(悪くなった);39
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ヨガの結果・考察
ヨガの改善率は他より高く、そしてAlmost CuredもしくはImprovedの方は、何年も継続して毎週行なっていました。1回につき30分から1時間ほど行なっている方が多く、多い方は2〜3時間にも及ぶようです。
一般的にヨガは体を柔らかくする、姿勢を正す、呼吸法などを含み、副交感神経を優位に保つなど、痛みに対して解放に向かわせる要素が多く見受けられます。
ただ難しいポーズも多く、体の固い初心者がいきなり行うと、逆に傷めてしまうケースもあります。その辺りも留意すれば、腰痛にプラスに働くと考えてもいいものではないでしょうか?
第1位 姿勢改善(Postural Modufications)
姿勢改善参考データ)
得点:3.7/5
○Cured(治った);67
○Almost Cured(ほぼ治った);47
○Improved(良くなった、改善した);256
○Not Improved(改善していない);271
○Worsened(悪くなった);18
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姿勢改善の結果・考察
調査上、唯一3点台になったのが姿勢改善。Curedが全体の1割を超える結果になったのが、1位になった理由だと考えられます。
結果を見てみると、特殊なPostural Modufications Method(つまり姿勢の専門家独自のメソッド)を使っているケースが多く、それを毎週1回30分から1時間行なっているようです。また年単位で継続して行なっている方が多いように見受けられました。
姿勢が悪いと構造的に、腰を始めとしたあらゆる関節部分に負担がかかることがわかっています。
正しい姿勢をマスターして、いかにその負担を取り除くのかがポイントになってきます。
まとめ
腰痛において姿勢を治すということは、アメリカでも基本的なことになっています。
よってヨガや、今回有効数が低かったのですが、姿勢改善的なメソッドである「Gokhale Method;4.5/5」「Mckenzie Method;2.8/5」「Pilates(ピラティス)2.5/5」なども入っています。
ただどの姿勢改善的なメソッドでも言えることですが、何年も継続して行なっている方が結果が出ているようです。
ここだけで「1位が姿勢改善で2位がヨガで・・・」という目先の判断をするより、しっかり目的を持って、計画的に継続して行うことの方が大切だということをご理解いただければと思います。