
たまたまですが、7年前の2011年に、
日本経済新聞が猫背について紹介している記事を見つけました。
内容を見ると以前よりこの猫背矯正ラボで書いてきた記事との共通項も多く、
また、女性ならではの部分もあり、とても良い記事だと思いました。
以下で、いくつか抜粋してご紹介させていただきます。
「人は丸まろうとする」という基本的な事実
記事中、赤ちゃんが”くるんと背中を丸めていること”を例にとり、
人とは、「もともと丸まろうとする生き物」で
そう(猫背に)ならないようにするのが「筋肉」と説明されています。
この「丸まろうとする」力の源については、地球の重力が原因とも考えられます。
常に私たちの身体は地球からの重力で下方向へ引き続けられ、
それに対抗する背中などの筋肉(脊柱起立筋)を「抗重力筋」と呼んだりしているからです。
よって、運動不足や加齢により筋力が低下していくと
どんどん猫背が進行してまうわけなのです。
ちなみに宇宙空間に数日間滞在した宇宙飛行士は、
「重力の影響を受けないために地上よりも身長が伸びた」という話もあるくらいです。
参考:身長や猫背は地球の重力で決まる?!意外と大きい重力の影響
人は自分では良い姿勢がわからない
前章の内容によれば、筋トレで猫背は改善されることになります。
ですが、実際には猫背のままただ筋トレをしても、
猫背の上に筋肉がのっかってしまってさらに悪化することがあります。
それは、良い姿勢がわからないままに筋トレをしたからです。
よって、猫背を改善するためにはまず良い姿勢について知らなければなりません。
ではなぜ人は(重力の影響があるとはいえ)、猫背になりやすいのでしょうか?
日経の記事では猫背について一言でうまく表現されていました。
>猫背は「楽な姿勢」だが「いい姿勢」ではない
というものです。
つまり、自分では特に力もいれずリラックスしているので楽に感じてはいますが、
猫背で首の前傾や背中の丸みが増したり、肩が前に巻き込んでいると、
首、背中や腰、肩などのそれぞれの筋肉に過度の負担がかかり続けていることになります。
負担がかかり続けた結果、筋肉には疲労が蓄積してガチガチにこり固まってしまい、
やがて、首・肩のこりや腰痛のような症状を感じるようになってしまいがちです。
(実際には筋肉だけでなく靭帯などの軟部組織も含まれます)
また、自分の感覚(位置覚・運動覚)は普段の状態を普通に感じるようになります。
つまり、いつも猫背でいる人はこりや痛みがあるにも関わらず、
その姿勢が自分にとって自然だと錯覚を起こしてしまっているのです・・・
(猫背のくせがついているといういい方をすることもあります)
女性ならではの気になるバストの位置や顎のたるみも猫背が関係
猫背で背中が丸く、肩が前に巻き込んでいると胸もすぼまっています。
その状態では、”女性はバストが下がる”ことや、
”猫背の人はブラジャーのベルトを下げたがる”という特徴もあることが
日経の記事では紹介されていて、ブラジャーについてはなかなか男性にはない視点でした。
記事中では、以下のように説明されています。
>前屈みになると背中にベルトが食いこむ感じがするので、つい下げるんですね。
>実際、女性スタッフに「左右1cmずつ上げてください」と検証してもらうと、
>気持ち良く胸が張れるようになった、と驚かれますよ。
猫背の改善は後ろ側の背中からではなく前側の胸の筋肉から!!
一般的によく紹介されている猫背の改善方法は、
丸くなった背中や肩を後ろにストレッチで伸ばしたり、
背中の筋肉を鍛える方法だと思います。
ですが、そういった身体の後ろ側ではなく、
前側(胸)にある筋肉の短縮を解消しなければ効果が出にくいです。
つまり、大胸筋や小胸筋、三角筋前部繊維といった筋肉群です。
まず、これらの筋肉をストレッチで伸ばすことから始めた方がよいでしょう。
さらに顔(首)が前に出ている首猫背(顔出し型猫背)では、
首の後ろにある「後頭下筋群」「頸椎の脊柱起立筋」も短縮しています。
「身体の後ろ側」というならここを見逃してはいけないと思います。
これらは、日経の記事と猫背矯正ラボの過去の記事と共通してる見解といえます。
実は猫背を根本から改善するには骨盤の矯正が必要!
このように、とてもわかりやすく的を射た日経の記事でしたが、
根本的な部分には触れられていないように感じました。
それは、「骨盤について」です。
身体の中心で、背骨の土台でもある骨盤の状態も良くないと
上半身だけの改善では良い姿勢を保ち続けることは難しいのです。
骨盤は本来はほぼまっすぐ(やや前傾)しているものですが、
これが過剰に前や後ろに傾くことで、
骨盤の上にのっている身体が倒れそうになり、
無意識に猫背になってしまうわけです。
よって、骨盤の過剰な前傾・後傾のある人は、
まずは骨盤位を正常に戻さなければなりません。
骨盤まわりから猫背を改善するストレッチ
骨盤の前についている筋肉をストレッチ
1、両足をそろえた所から右足を一歩前に出します
2、右膝を曲げ、左股関節の前側が伸びるように腰を落としていきます
3、股関節の前面が伸びて気持ちが良い所で10秒キープ
4、10秒経ったら左右の足を入れ替えて、反対側も同様にします。
ずっと座っていると太ももの前の筋肉は常に短縮した状態になっています。
このストレッチは筋肉を伸ばすと同時にポーズをとるために必要な筋肉がついてきます。
骨盤の後ろについている筋肉をストレッチ
1、椅子に浅く腰掛け、右足を前に伸ばしてかかとをつけます
2、右のつま先を反らせ、右膝の上に手を軽くあてて体を前に倒します
3、身体を倒しながら、背中が丸くならないよう、お腹を突き出すようにしてください
4、腿の後ろからふくらはぎが伸びて気持ちがよい所で10秒キープ
5、10秒経ったら、左右の足を入れ替えて、反対側も同様にします。
背中を丸めると足の後ろ側が伸びないので注意してください。
つま先をできるだけ反らせることで、
太ももの後ろ側からふくらはぎまでが良く伸ばせます。
デスクワーク中も、椅子に座ったまま1時間に1回くらいすると
足の血流が改善されて痛みを予防できると思います。
上半身を伸ばして姿勢を良くするストレッチ
1、胸を突き上げるようにし、顔も後ろに引くようにします
2、両手を万歳するようにあげて、身体ごとできるだけ後ろにそらせます
3、全身が伸びて気持ちが良い所で10秒キープ
4、10秒経ったら、肩の力をぬいて「ストン」と腕をさげましょう
5、顔も引いた位置のまま、短縮した後頭下筋群を上に伸ばすようにしてください
一番簡単な身体を伸ばすストレッチです。
ストレッチの後は身体でよい姿勢を記憶すると同時に、
鏡でも自分の姿勢をマメにチェックして
今まで錯覚していた感覚(位置覚・運動覚)も修正していきましょう。
まとめ
7年前に既に猫背について秀逸な記事が発表されていましたが、
その内容はあまり一般的にはならなかったようです。
ですが、非常にわかりやすく、理にかなっているので、
改めて日の目を浴びて欲しい記事だと思います。