
体の不調を治そうと、一生懸命グイグイと力をかけてストレッチをしていませんか?
そのやり方では逆に筋肉を固くしたり、痛めたりしてしまいます。
たしかに姿勢や体の痛みを改善するためには、ガチガチに固まった身体をストレッチで伸ばすことが大切です。
長年猫背など姿勢の悪い状態でいると身体に癖がつき、骨格や筋肉が猫背の形のままガチガチに固まりがちです。それを姿勢矯正ベルトなどで改善しようとしても、固い身体が伸びずに苦痛を感じることが多いからです。
とはいえ、一口にストレッチといっても、正しいやり方をしなければ逆に筋肉を痛めてしまうことも。
この記事では
・危ないストレッチの悪影響
・正しいストレッチのやり方
について、詳しく書いていきます。
危ないストレッチのやり方とその悪影響とは
ストレッチ方法を間違うと、不調の改善どころか、むしろ悪影響が出てきてしまいます。
危ないやり方1.慣れていないのに、急に強く伸ばす
「よし!今日からストレッチをするぞ!」と気合いを入れて頑張る方にありがちです。体がガチガチでストレッチに慣れていないのに、無理にぐいぐいと伸ばそうとしていませんか?
しかし、慣れていない筋肉を無理に伸ばそうとするのは危険です。
筋痛気持ちいいところを超えて伸ばそうとすると、筋肉は伸びるどころか、反射によってむしろ縮もうとしてしまいます。また、無理な力が加わることで筋を切ったり組織を痛めたりすることも。
強い力でのストレッチは今すぐにやめましょう。
危ないやり方2.長く、強くやりすぎる
ストレッチ効果を高めようと、強めに伸ばしたまま、長い時間かけてストレッチをする方もいます。
しかし、伸ばしすぎることで筋肉はかたくなり、ストレッチをしても伸びにくくなってしまいます。
危ないやり方3.息を止め、力を入れてしまう
ストレッチの際に少しでも身体を伸ばそうとして、息を止めて力で筋肉を伸ばそうとしがちです。(痛いのをガマンする人もいますね)
せっかくがんばっているのですが、これも逆効果です。
なぜなら息を止める事・力を入れる事、どちらも筋肉を短縮させるからです。痛いのを我慢するのも身体に力が入るので良くありませんよね。
無理なストレッチの悪影響に関しては、以下の論文でも注意喚起されています。
強すぎる力を加えたストレッチングは,臨床で多く直面する筋性拘縮に対して筋の損傷を惹起し,筋の柔軟性を増悪させる。筋性拘縮に対するストレッチングは加える力に注意し,十分なリスク管理をする必要がある。
【参考論文】『筋性拘縮に対するストレッチングに加える力の違いが筋の柔軟性に与える影響』/© 2014 公益社団法人 日本理学療法士協会
せっかく姿勢の改善や健康のためのストレッチが、むしろ悪影響になってしまったら残念ですよね。
正しいストレッチ方法を知って、体を効果的に伸ばしていきましょう。
正しいストレッチをするための3つのポイント
筋肉を痛めずに、効果的にストレッチをするためには以下3点に気をつけましょう。
・呼吸を止めない
・伸ばす時間は30~60秒
・痛気持ちいいところで止める
それぞれ詳しく説明していきます。
※猫背を改善するための具体的なストレッチのやり方については、こちらの記事を参考にしてください。
ストレッチ中に呼吸をとめない
ぐっと伸ばそうとするときについ呼吸を止めがちです。しかし、意識して呼吸を続けるようにしましょう。
呼吸を止めると体に力が入ってしまいますが、呼吸することで力が抜けやすくなります。
身体から余計な力を抜いて、全身リラックスして行った方がストレッチ効果が出やすいのです。
「伸ばしていく」というよりは、「伸びるのをじっと待つ」ような感覚をイメージしましょう。
深呼吸をして、深く息を吐きながらストレッチをすることで、より効果が期待できます。
伸ばす時間は30~60秒がベスト
伸ばす時間が短すぎてもストレッチの効果がありません。また、これまでにお話したように、伸ばす時間が長すぎるのも筋肉に悪影響です。
一つのポーズで最低でも10秒程度、できれば30秒から60秒ほど伸ばすようにしましょう。
痛気持ちいいところで止める
早く筋肉を柔らかくしたいところですが、「痛い」ところまで伸ばすのは絶対にやめましょう。
筋肉を痛めてしまったり、固くなったりして逆効果です。
ゆっくりと、少しずつ伸ばしていき、「ちょっと痛いけど気持ちいい」ポイントで動きを止めて、そのまま30~60秒伸ばします。毎日繰り返すことで、だんだんと筋肉が緩やかに伸びて、深いストレッチもできるようになってきますよ。
まとめ
猫背など姿勢の改善にはストレッチがおススメです。
何故なら長年猫背でいると、身体が猫背仕様になってしまってその状態からいきなり姿勢を良くしようとしても身体が伸びないからです。
しかし、いきなり効果を出そうとして無理な伸ばし方でストレッチをするのは危険です。
呼吸・伸ばす時間・伸ばす力に注意して、効果的なストレッチを行いましょう。