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猫背がロコモのリスクを拡大?!正しい姿勢でロコモ予防を!!

中高年の皆さんは「ロコモ」という言葉はご存知でしょうか?

最近はあまり聞かないようになった気がしますが、
しばらく前にテレビの健康情報番組などで取り上げられていました。

「ロコモ」とは、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)の略で、
加齢とともに運動器と呼ばれる身体を動かす部位が衰えたり障害を持つことです。
そのまま「寝たきり」になるリスクもあるので放置しておけません。

単なる運動不足以外にも猫背がロコモの原因になることもあり、
以下で詳しく書いていきます。

筋力の衰えと普段の姿勢の関係


運動器とは、一言でいうと運動するときに使う筋肉とその周辺の器官です。

筋肉には、「適度に使わないでいると委縮する」という法則(ルーの法則)がありますが、
運動不足だけでなく、猫背のような不良姿勢によっても筋肉の萎縮・筋力低下は起きてきます。

私たちは社会人になると意識していないと運動する時間もなかなか取れませんし、
同じく意識していないといつの間にか猫背になっています。

その原因としては、仕事や家事で長時間のデスクワークや
スマホの長時間使用などをしていることがまず挙げられます

実は上記のような原因で猫背になる人は中高年だけでなく、
学生や小児まで含まれているのでなおさら注意が必要です。

そうして長期間猫背のまま運動不足でいると、
負担が常にかかり続けている一部の筋肉は短縮して硬くなり、
反対に使われない側の筋肉は委縮して筋力低下を起こしていってしまいます。

猫背で短縮する筋肉の部位


猫背とはそもそもどのような姿勢なのか?
また、それによって変化する筋肉の部位などについて書きます。

まず、猫背とは背中が丸くなったもの(円背型猫背)だけでなく、
顔が前に出た首猫背(顔出し型猫背)、肩が前に出た巻き肩(前肩型猫背)
それらの複合型猫背(首なし型猫背)の4つに大きく分類されます。

そしてさらにそれらの原因として骨盤のゆがみも見逃してはいけません。

骨盤は本来まっすぐ立って(やや前傾)いるものですが、
日常生活の中でだんだんと前や後ろに過剰に傾く(前傾・後傾)ことがあります。

骨盤は身体の中心であり背骨の土台でもあるので、
それが前後に過剰に傾くと上体も傾いてしまうわけなのです。

そのままでは倒れてしまうので、身体は無意識に猫背になってバランスを取ろうとするわけです。

骨盤前傾では、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋など)と腰の筋肉(脊柱起立筋など)
骨盤後傾では、太ももの後ろ側の筋肉(ハムストリングスなど)とお腹の筋肉(腹直筋など
に過度の負担がかかり続けた結果、短縮して硬くなっています。

そして、それぞれの骨盤位で短縮した筋肉と反対側の筋肉が使われないために
そこの部位で筋力低下を起こしがち
になります。
(骨盤前傾では「ぽっこりお腹」のようにお腹の筋力が低下しがちですが、
骨盤後傾ではお尻の筋力低下が起きていることもあります。)

具体的には、首猫背では首の筋肉(胸鎖乳突筋や後頭下筋群など)
巻き肩では胸の前側の筋肉(大胸筋など)
背中の丸い猫背では体幹の前側(腹直筋など)がそれぞれ短縮して硬くなり、
その反対側の筋力が低下していると考えられます。

よって、ロコモ予防には短縮して硬くなった部位の筋肉を伸ばして正しい姿勢に戻し、
委縮した筋肉は徐々に負担をかけて姿勢を維持できるようにしていくと良い
わけです。

猫背の弊害とロコモの関係


猫背の弊害は、実年齢より老けて見えるなど見た目の悪さに加えて、
首・肩のこり、頭痛、内臓下垂、集中力の低下、自律神経の働きの乱れなど、
さまざまモノがあげられます。

それにくわえて、猫背で背骨が曲がった状態で長期間過ごしていると、
いずれはロコモの原因の一つある脊柱管狭窄症などにつながるリスクも高まるようです。

同じく背骨が曲がって胸がつぶれた状態では深呼吸ができません。
呼吸が浅く短いため身体に十分な酸素が取り込まれず酸欠になりがちです。
そうすると疲労しやすく活力も低下するので、
ますますロコモの原因である猫背や運動不足に陥りやすいわけです。

また、骨盤が後傾していると膝が曲がった状態になりやすくなるため、
加齢とともに膝関節が固まり膝関節症につながるリスクが高まります。

正しい姿勢のつくり方


一般的にいう「正しい姿勢」とは立った姿勢を横からみて、
頭の後ろ、背中、お尻、かかとの位置ができるだけまっすぐで、
腰のカーブがきつくないこと
になります。

背中を壁につけて立つとわかりやすいですが
壁に頭、肩甲骨、お尻が付き、かかとがお尻の下にくる位置、
また壁と腰の間に手が入るくらい、少し空いているのがいい姿勢になります。

ただし、長期間猫背でいる人はいきなり良い姿勢をとることは難しいです。
身体に猫背のくせがついてしまって、筋肉の短縮や萎縮が起きてガチガチに固まっているからです。

仮に良い姿勢をとれたとしても「猫背の方が楽」に感じられるので、
良い姿勢に違和感を感じてまた元の猫背に戻りたくなってしまいます。

まずはストレッチで(上記のような)短縮した筋肉を伸ばすことから始めましょう

委縮した筋肉を回復させようといきなり筋トレをしたくなるかもしれませんが、
身体に猫背のくせがついたまま筋トレをすると、かえって猫背が悪化する恐れがあります。

よって、まずストレッチでよい姿勢をとれるようにして、
身体でよい姿勢を記憶してから徐々に筋力を回復させる方が間違いがない
です。

良い姿勢を作るストレッチについてはこちらをご参照ください。
参考:猫背は仕事でもプライベートでも損?!できる男は良い姿勢から!!

良い姿勢がとれるようになったら、こちらの厚生労働省・運動器疾患対策プログラム
(膝痛・腰痛対策、転倒・骨折予防)も参考にしてみください。
参考:運動器疾患対策プログラム

まとめ

寝たきりのリスクも高まってしまう「ロコモ」ですが、
その予防と改善には普段の姿勢も関係しています。

ただ、そうはいっても長期間の猫背のくせが身体についてしまっていると、
正しい姿勢をとりづらく違和感も感じがちになってしまうようです。

ですが、ストレッチなどで正しい姿勢のくせが身についてくると、
逆に猫背に違和感を感じるようになり、
見た目が良くなる上にロコモ予防含めていろいろ健康にもなってきます。

冒頭で「ロコモ」につい「ご存知ですか?」とご質問させていただいたものの、
今から5年前の2013年頃のロコモの認知度はインターネット調査では30%前後だったそうです。

つまり、実際にはまだまだ知られていないと思って良いわけですが、
高齢者社会である日本として、政府は4年後の2022年(平成34年)には
ロコモ認知度を80%に引き上げる計画です。

ぜひこの記事を読まれた方も周りのご家族ご友人と一緒に、
良い姿勢でロコモ予防を始めてみてください!

参考:悪い姿勢がロコモにつながる?

参考:姿勢をチェンジ!ロコモ予防

この記事を書いたライター


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