よく「猫背から正しい姿勢にするのに、
良い姿勢を意識する」という人がいます。
それ自体は間違っていません。
ですが、そう言っている人の中には
うまく猫背をなおせていない人がいます。
あるいは、よい姿勢にはなるけど
長続きしない、という人もいます。
それには理由があって、
「本当に意識だけで姿勢を良くしていない」
からです。
以下で詳しく書きます。
自己流でやる人は身体に力が入る
正しい姿勢、よい姿勢というのは、
たいていの人にとっては
漠然としたイメージしかないことでしょう。
なんとなく、背筋が伸びて胸をはっているとか
肩の巻き込みがないとか、
顎（顔）が前にでていないとか・・・・みたいな。
それらは間違いではないのですが、
本当に良い姿勢をとるために
細かい所までおさえる必要があります。
それがわからないから、
身体に力を入れて無理やり
胸を張ったりするのですが、
所詮無理があるので長続きしません。
それでも何もしないでいるよりは
姿勢が良くなる人もいますが、少数です。
多くの人は結局よくわからないまま
諦めてしまいます。
せっかくやる気はあるのに、
とても残念な話ですよね・・・。
基本的に「意識だけ」なら力は入らない
本当に「意識だけ」で姿勢を良くしようとする場合、
実は身体に力は入りません。
むしろ、身体から余計な力をぬき、
体内の中心に縦に軸を作って、
それが上下に真っ直ぐ伸びるイメージ（意識）で
姿勢もまっすぐ、良くしていくのです。
これが「意識」で姿勢を良くするということの基本になります。
猫背でガチガチに固まった筋肉を意識で伸ばす
また、別の意識の使い方としては、
長期間の猫背でガチガチに固まっている、
身体の筋肉をピンポイントで伸ばす、
というのもあります。
例えば、顔が前に出た首猫背（顔出し型猫背ともいいます）の場合、
後頭部と首の間がつまって、ガチガチに固くなっています。
漠然と身体をまっすぐに伸ばすよりも、
そこの部分の筋肉を伸びるように意識する、
ということもあります（力は入りません）
人は力を入れることは得意だが抜くことは苦手
私たちは生まれてから成長していく過程で、
自然と力を使って生活していくことを覚えます。
物をとる、立ち上がる、歩く、
何かを持ち上げる、などなど
日常生活全てにおいて
筋肉に力を入れる事ばかりです。
よって、姿勢を良くしようとする時も
「意識」といいながら、
「力」を使ってしようとしまうのです。
ですが、考えてみてください。
「意識」ってなんでしょうか？
筋肉じゃないですよね？
形もないし、手で触ることもできません。
ですが、身体の中にあって、
色々な行動を導くことはできます。
姿勢を良くするときも、
同様に「力は入れずに意識だけ使う」、
というのはそういう意味です。
とはいっても、
「いきなり力を入れないで身体を動かす」、
という事は、やろうとしても
うまくできるものではありません。
普通の人は生まれてから一度もそういう経験がないからです。
何かスポーツをやっていて、上級者レベルの人は
「上手な脱力」を経験・マスターしていることでしょうが
そういう人は全体の中では少ないでしょうし、
教え方が上手とは限りません。
繰り返しになりますが、
自己流で姿勢を良くしようとする場合
力を使ってはいけないのですが、
「今までやったことがない」、
「できる人が周りにいない」、
などの理由で「無意識に力を使ってやる」
という誤解が多いのです。
力の抜き方、意識の使い方を習う
力をぬいて姿勢をよくすることをマスターしようとしたら、
お近くのヨガや太極拳の教室に入るのがおススメです。
ヨガのように一つのポーズでじっと静止したり、
太極拳のゆっくりとした動きは、
自分の身体の内面を深く掘り下げることになるので、
力の入っている部分を自覚し、
力をぬく練習にもなります。
また、周りに同じエクササイズをしている人を見ることで
自他の比較からだんだん理解も深まってきます。
ただし、上辺だけ、形だけやってるような教室では
そこまでは深くは習えません。
そういった意味ではある程度レベルの高い教室が良いのですが、
初心者が最初からうまくできるかはわからないので、
上級・中級・初級のように、
レベルに合わせて参加クラスを選べるような教室が良いですね！
まとめ
「猫背を直すためには良い姿勢を意識する」
みたいな言葉がありますが、
うまくできる人は少数です。
多くの人は、腹筋や肩の筋肉などに力を入れて、
力で身体をまっすぐにしようとします。
それでは無理がありますし、
つかれるので長続きしません。
意識を使う場合には、
むしろ力を入れずに、
身体を上下にのびのびさせるのです。
また、それ以外にも、
「身体の中の猫背でガチガチの部分を
ピンポイントで意識して伸ばす」、
という意味合いもあります。
これらは自己流では難しいので、
姿勢専門の治療院や
ヨガ・太極拳教室にご相談ください。
また、姿勢に関するワークショップもありますので、
こちらもご参考なさってみてくださいね！！
小林 篤史
