
猫背と聞いて誰もが思い浮かべることは、背中が丸まった状態ですね。
だから猫背をなおそうと思ったら、
「背中の筋肉を鍛えて、体をまっすぐ伸ばすようにしよう」
という発想が出てくるのも当然といえるでしょう。
実際、加齢や病気で背中の筋力が低下すると、
背すじをまっすぐに立てていられなくなって背中が丸くなる、
ということはあります。
しかも人の頭はボーリングのボール位の重さがあるため、
(成人男性で約5kgと言われています)
その重さで徐々に体が前かがみの猫背になってくるということもあるでしょう。
なので、猫背を直すために”筋トレで身体を支える筋力をアップする”という発想は間違ってはいないと思います。
ですが、背中の筋肉は一つだけではなく、
しかもそれぞれで微妙に働きが違うために
自己流で筋トレをするとむしろ猫背が悪化する恐れがあります。
以下で、猫背と筋トレについて書きます。
3つの背筋と筋トレについて
背中には、僧帽筋、脊柱起立筋、広背筋といった3つの大きな筋肉があります。
それぞれの筋肉を過度に鍛えていくとどうなるか見ていきましょう。
僧帽筋
出典wikipedia
僧帽筋は、後頭部から肩・背中の上半分についている菱形(◇)の筋肉で、
首を後ろ方向に倒したり肩を持ち上げる動きに関係します。
この筋肉を鍛える時に、肩を持ち上げる動きをしすぎてしまうといかり肩になったり、
両肩に首が埋もれた「首無し型」と言われる猫背になってしまうリスクがあります。
脊柱起立筋
出典:動作でわかる筋肉の基本と仕組み
脊柱起立筋は縦に真っ直ぐな形をしていて、その名前の意味する通り、
脊柱(背骨)を起立(まっすぐ立てる・後ろに引き起こす)させる働きがあります。
良い姿勢を保つためにはこの筋肉に重要な働きをしてますが、
鍛え過ぎると体が後ろに反ってしまいます。
その結果、バランスをとるために顔が前に出た、
「顔出し型」と言われる猫背になるリスクがあります。
広背筋
出典:wikipedia
広背筋は背中の下半分についていて逆三角形(▼)の形をしています。
腰から背中、腕のつけ根までついていて、
背中をそらせる働きと同時に腕を内旋(内側に捻る)働きもあります。
背筋なので背筋を伸ばす働きがあるのですが、
広背筋を鍛える場合は、この内旋の働きがクセ者です。
腕の内旋が強化されると、そのまま肩も内側に巻き込んでしまい、
「巻き肩」の猫背(前肩型猫背)になってしまうのです。
なので、筋トレで広背筋を鍛えれば鍛えるほど巻き肩がひどくなり、
猫背が悪化してしまうというリスクがあります。
筋トレは一度姿勢を良くしてからやればOK!
上記のように、もともと猫背の人が自己流で筋トレを頑張るほど
猫背が悪化してしまうリスクがあるわけです。
しかも姿勢が悪いままの筋トレでは、
肩や腰に無理がかかって傷めてしまう恐れもあります・・・。
だからといって、筋トレをまったくしなくてよいわけではありません。
体を支えるためには筋力は必要です。
大事なのは、やり方なのです。
いきなり筋トレするのではなく、一度姿勢をよくしてからやれば良いのです!
猫背の人はその姿勢で骨格や筋肉がガチガチに固まっていることが多いので、
一度ストレッチで筋肉や骨格を伸ばしたり、
整骨院や整体院で猫背矯正を受けてまっすぐな良い姿勢をとれるようにしましょう。
姿勢がよくなったらそれを体に覚えさせ、
その姿勢を維持するために必要な所の筋肉を鍛えるならOKです!
また、筋トレは全身のバランスを考えてやらなければなりません。
背中側だけ、とか右側だけ、という風にしてしまうと
筋肉のバランスがくずれて、姿勢もゆがんでしまいます。
「背筋をやったら腹筋」、というようにバランスよく鍛えてくださいね。
猫背を改善する3つの筋トレ方法
良い姿勢を維持し、猫背をなおすため背中(体幹)、肩、首の筋肉を鍛えます。
1、ヨガの猫のポーズで体幹部の筋肉を鍛える
1、手と足の幅が肩幅くらいになるように四つん這いになります
2、息を吐きながら、背中を丸めるように上につりあげます
3、背中から腰に掛けて筋肉が伸びていることを感じながら10秒キープ
4、10秒経ったら、力を抜いて楽にしてください
5、今度は息を吸いながらお腹を床に近づけるように背中を反らせます
6、背中から腰にかけて反り切った所で10秒キープ
向きになってやるような筋肉は、姿勢の感覚がわからなくなりやすいです。
その為、ヨガのようなゆっくりとした動きで、
呼吸と動作を一致させて鍛え方の方が良い姿勢のままやりやすいです。
2、ぐるーっと回して肩周りの筋肉を鍛える
1、両手の指先で左右それぞれの肩口にたっちします(つかなくても良いです)
2、曲げた両肘で大きな円を描くようにして、前から後ろにゆーっくりと回していきます
3、大きくゆっくりと10回まわしたら、肩が一番後ろの位置で脱力して腕を下します。
これも無理な力を入れずに行います。
ゆっくり行う事で肩の位置を自分の感覚で感じるようにし、
”巻き肩になってもすぐ元の良い姿勢に戻れるようにする”、
という意味もあります。
3、首をまっすぐ上に立てて鍛える
1、一度できるだけ顔を前に出します
2、ゆっくり後ろに顔をひいてきます
3、できるだけ顔を後ろにひき、顎があがらないようにします
4、いっぱいまで引いたら、首の後ろ側を上に伸ばすようにします
5、無理に力を入れず、ゆっくりと10回繰り返してください
顔出し型猫背の場合は、首の後ろ側の筋肉が短縮していることが多い為、
この動きで伸ばすと同時に、どこが正しい顔の位置かも感覚で記憶します。
正しい位置で首の後ろ側を伸ばすことで、
その位置を維持するための首周りの筋肉も鍛えるようにします。
まとめ
猫背を改善するためには、
1、猫背のままいきなり筋トレをするのは、猫背や肩こりが悪化するのでNG
2、まずストレッチや猫背矯正で一度正しい姿勢に体を戻す
3、良い姿勢を維持するために、筋トレで必要な筋肉をつける
という段取りをふめば猫背が悪化するリスクはかなり低下するでしょう。
そして、良い姿勢を維持するための筋トレは3つです。
1、体幹の腹筋・背筋を鍛える
2、肩周りの筋肉を鍛える
3、顔の位置を維持するために首の筋肉を鍛える
無理に力を入れると良い姿勢の感覚がわかりにくいので、
そうならないようできるだけゆっくり行ってください!