
ずっと昔は腰痛というと年配の人がなるもののように思われていました。それは長年がんばって働いてきた結果、腰に蓄積した疲労がハリやコリ、痛みが原因になったからです。
しかし今は若い人でも腰痛に悩まされています。若い人の場合はお年寄りの場合とは違い、”長年の間に”蓄積した疲労が原因ではありませんよね?
おそらく普段から猫背のような不良姿勢をとっているからです。特に慢性腰痛の場合、原因となっていると考えられている姿勢があります。それは反り腰です。腰が必要以上に反ると、常に腰に余計な負担がかかります。これが原因となっているのです。
よって腰痛の方は、まず反り腰を解消し、腰の負担を軽くしてあげれば楽になってきます。なぜ反り腰だと腰に余分な負担がかかるのか、どのようにしてなおすのか、についてご紹介したいと思います。
慢性腰痛において、反り腰が原因になる理由
腰の反りが急すぎると負担がかかる
腰はもともと前弯と言って少し反っているものです。背骨に適度な弯曲を作ることで背骨の負担を軽減させているのです。
それが必要以上に反り返ると反り腰になります。反りが大きいと、その大きい部分に負担がかかります。
反り腰で負担のかかる部位
負担がかかる部分の筋肉は、たいてい固まっています。私たち施術者が反り腰の方を見ている中で、特に固くなっている部分をお伝えします。
腰の一番反っている部分
一番反りの強い腰椎4番、5番目付近の筋肉はとても固くなっていることが多いものです。特に腰椎4、5番と仙骨を結んでいる多裂筋と言われる筋肉がコチコチに固くなっていることが多いのです。
腰の両脇の部分
腰でも背骨側でなく、少し外側付近が固くなっていることがあります。こちらは腰方形筋という筋肉で、腰痛の原因となりうるものです。簡単にいうと、両サイドから支えている部分に負担がかかってしまうのですね。
一番反っている部分と一番丸まっている部分の境目の筋肉
腰痛というと脊柱起立筋がメインなのですが、その中でも一番反っている部分と丸まっている部分の境目部分を押すと、コチコチに固くて痛い方が多いことに気づきます。
整骨院腰痛患者のほぼ8割以上が反り腰
慢性腰痛の方から「マッサージや鍼で治療すると”その時だけ”腰痛が軽くなる」という話はよく聞きます。
しかしその効果が持続しないことが多いものです。「その時は良くてもまた腰痛が再発してしまう」原因は、反り腰や猫背などの不良姿勢を続けていて、腰の筋肉などに負担をかけ続けているからです。
特に今まで整骨院で多くの患者様をみてきて感じることがあるのですが、整骨院腰痛患者のほぼ8割が反り腰です。また女性に多いのです。
腰痛を生み出す、反り腰の原因とは?
反り腰の原因の1つは、過度の骨盤前傾
反り腰の方を拝見していると、ある共通項が出てきます。それは骨盤が前傾していることです。
骨盤は立っているのが理想です。しかし昨今骨盤が前傾している方が多く見受けられます。特に女性の場合、かかとの高い靴などを履く方もいらっしゃいますので、骨盤が通常よりもさらに前に傾き、反り腰になっている事が多いです。
骨盤は体の土台と言われていますが、その土台が不自然に前に傾くと、そのままでは身体が前に倒れてしまいますよね。そうならないように、無意識に腰を反らせてしまうのです。
これが極端になると、胸椎の後弯が大きくなり、背中も丸くなります。こうして生じる猫背もあるのです。
女性は骨盤が前傾しやすい
特に女性の方は、骨盤が前傾しやすいのです。理由は3つあります。
筋肉が柔らかく、姿勢をキープしづらい
筋肉は男性ホルモンの影響を受けやすいので、女性は元来筋肉が柔らかいものです。よって姿勢を支える筋肉がもともと弱く、骨盤を立たせた状態をキープできない人もいます。
内股になりやすい
女性は男性に比べて骨盤幅が大きいものです。よって股関節幅も広がるのですが、その際に膝と膝をつけようとして内股になりやすいのです。
内股になると、股関節の前面の筋肉が短縮を起こし、骨盤が前傾をするのです。
特に女性には、スカートをはいたり膝と膝をつけると綺麗というような文化が存在します。環境的にも内股に、そして骨盤を前傾するようなものが整っているのです。
出産後、骨盤を支える骨盤底筋が緩みやすい
出産後、「骨盤が開く」ことが知られています。骨盤は腸骨・仙骨・恥骨の3つの骨で成り立っているのですが、この繋がっている部分が一気に緩むのです。
ただ赤ちゃんのでてくる部分である膣周りの筋肉(骨盤底筋)も緩むことが知られています。骨盤底筋には、骨盤を立てる作用があるので、この筋肉が緩むことで骨盤が前傾してしまうのです。
反り腰を改善する2つの「簡単ストレッチ」
太ももの前を伸ばすストレッチ
1、壁などのそばに、両足を肩幅に開いて立ちます。
2、右膝を曲げ、右手で右足の甲をつかみます
3、両膝が離れないようにし、太ももの前が伸びて気持ちが良い所で10秒キープ
(ふらつくようなら、壁に左手をついてください)
4、10秒経ったら、左足も同じようにおこなってください
骨盤が前傾する原因は人によっていろいろあるようですが、
その結果として、太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋や腸腰筋)が短縮して
固まってしまっていることがよくあります。
なので、太ももの前側の筋肉をストレッチで伸ばすことが
骨盤の過前傾を矯正する際に必要になってくるわけです。
仰向けで腰の筋肉を伸ばすストレッチ
1、仰向けに寝て、両手で両膝を抱えます。
2、そのまま体を10回ほどゆらすようにしながら、反り腰で固まった腰の筋肉を伸ばしてください。
回数は目安ですので、腰が固くて伸びにくい人は多めでも結構です。
反り腰で固まった腰が伸びている感覚を身体で記憶するようにしてください。
初めはなかなか筋肉が伸びにくいかもしれませんが、
毎日やっているうちに少しずつ柔軟性が増してきます。
ストレッチは一度にたくさんやるより、毎日少しずつやる方が効果的です。
特にこの2つのストレッチは簡単なものですので、
朝目が覚めた時か、夜寝る前のどちらかにやる時を決めておくと継続しやすいです。
まとめ
いくら治療してもよくならない、再発を繰り返すような慢性的な腰痛は反り腰の猫背が原因です。
猫背とは背中が丸いだけでなく、体の土台となる骨盤に根本的な原因があるからです。
具体的には、骨盤がゆがんで前傾した反り腰によって、背中が丸い猫背になり、
同時に反り腰で腰に余分な負担がかかり続けるために腰痛になっていたのです。
なので、反り腰を改善する事は、腰痛と猫背を同時に改善することにもなるのです!
ストレッチにもいろいろ種類がありますが、今回は簡単なものを2つだけ、ご紹介させていただきました。
どうぞ慢性的な腰痛でお悩みの方は、このストレッチで猫背と腰痛を改善なさってください!
追加でポイントをお伝えします。
また、一度反り腰がよくなって猫背がなおせたら、再発しないよう、普段から鏡で自分の腰の姿勢をチェックする習慣をつけるのも大事です。
良い姿勢をとっている時の「体の中の感覚」と、鏡で見た時の視覚という「外からの感覚」の両方を使うことで良い姿勢を体に記憶させるわけです。
そうすると、自分で良い姿勢を維持できるようになっていきます。
慢性腰痛で反り腰の女性の方はこちらを試してみてください。
お客様満足度が本当に高い商品ですね。