
新型コロナウィルスにおいて、テレワーク(在宅勤務)を余儀なくされている方もいらっしゃるのではないでしょうか?会社からノートパソコンを支給されたり、机や椅子を購入したり、準備して取り組んでいると思います。 先日ニトリに行きましたが、机と椅子はほぼ取り寄せ状態。テレワーク体制をご自身で作ろうとする人もいるのかと思います。 最近弊社の整骨院でもテレワークを続けていることにおいてのぎっくり腰をはじめとした通称「テレワーク腰痛」、同じようにテレワークによる肩こり、首の痛み、頭痛など、俗称「テレワーク痛」に悩まされる方が増えています。
その「テレワーク痛」が起きる要因は多々ありますが、その中で最も多いのが、「テレワーク猫背」を代表する、在宅ワーク時における姿勢が乱れていることと考えられます。 また「テレワーク猫背」は、わかっていても治しづらいものです。ただ根本的な原因がわかれば、対策も練りやすいのではないでしょうか? よって今回「テレワーク猫背」というものについて焦点をあて、その「テレワーク猫背」の原因や治りづらい理由、寝たままできる改善方法なども含めてご紹介したいと思います。
テレワーク猫背の原因は?
「テレワーク猫背」というと、「テレワークで猫背になった」イメージがあると思います。確かにそういう方もいらっしゃるでしょう。 しかし他にも原因があるのではと考えています。その辺りについてもご紹介したいと思います。思い当たるものがあれば、チェックしてみてください。
テレワーク以前の問題
実は、「テレワークをする前に軽度の猫背だった」もしくは「猫背の素因があった」という方がほとんどではないでしょうか?普段の姿勢で、「ちょっと猫背気味」「背中が曲がり気味」「顔が前に出ている」という方でしょう。 そういう方が今回テレワークに移行して、猫背になってきたケースも多いのではないでしょうか?
テレワーク環境の影響
テレワーク環境が全ての過程で整っているとは言えません。例えば一人暮らしの方でワンルームなどに住まれている場合、机を置くスペースを確保できない人もいるでしょう。またわざわざ机を買うのはどうかと思い、ダイニングテーブルで仕事したり、リビングのソファーでノートパソコンを打ったりするケースもあるでしょう。また人によっては、ベッドで腰掛けて太ももの上にパソコンを置いて打ち込んでいる方もいらっしゃると思います。 テレワーク環境は全て整っているとは言い難いのです。そうした時に姿勢が乱れるのは、容易に想像できるのです。
テレワークにおいて、あまり動かなくなったこと
テレワークにより、ずっと椅子に座ったままの方も中にはいらっしゃると思います。その姿勢のままいると筋肉は固まります。また一旦動かない生活をしてしまうと、人間は怠惰なもので、動くのが億劫になります。筋肉が怠けてしまうのです。 筋肉が怠けると、楽しますから、姿勢も崩れます。年配の方の猫背が治らないのは、その姿勢が楽だからです。それと同じことがテレワーク中でも起きてしまうのです。
テレワークにより、外出しなくなったこと
テレワークは、出勤しなくていいというメリットもあります。よってそれを望んでいる方にとってはプラスになります。 しかし外出することで気持ちの切り替えができます。そして体をフルに動かすことも可能になるのです。気分的にも全く状況が異なるのです。 おそらく都心に電車で通勤される方なら、毎日8000歩〜10000歩くらい歩いているのではないでしょうか。電車移動する営業職なら10000歩は軽く超えるでしょう。その運動量がテレワークによりなくなるということも、理解しておく必要があります。
テレワーク猫背はなぜ治らないのか?
筆者が見ていて、テレワーク猫背は治りづらいのではと思います。その理由を以下に示します。
テレワーク環境の問題
前出のように、テレワーク環境が整わない限り、テレワーク猫背は治りません。会社で使っていた机・椅子は適正だったかもしれませんが、そのいつもの感覚のまま自宅でデスクワークをすると、何かフィットしない状況に陥ります。それを手っ取り早く調整するのに、姿勢を崩す、猫背になるのです。 また環境が悪くてもそんなに簡単に毎回机や椅子は買えません。お金もかかります。会社から補助金が出るといっても、請求したりするのに気が重いのではないでしょうか?
テレワーク姿勢における意識
ざっくばらんにお伺いしますが、あなたは日常の姿勢にどれだけ気を配れますか?私は姿勢の専門家なので、どうしても姿勢を気にします。特に姿勢による腰痛持ちだったので、注意を払います。 ただ普通の方は、そこまで姿勢に注意できないのではないでしょうか?特に今は「不安」「怖い」という感情が大きいので、姿勢を正すことにおいて、優先順位は低いと思います。
テレワーク猫背がなぜ起きているのか理解していない
前出の「テレワーク環境の問題」や「テレワーク姿勢における意識」もあると思います。ただそもそもテレワークでなぜ猫背になってきたのか理解できていないといかがでしょうか? また同じように、テレワーク猫背になる原因を理解していたとしても、何をしたらいいかわからない場合、なかなか良くなって来ないと思うのです。
テレワーク猫背の正しい治し方
ここでテレワーク猫背の正しい治し方について、ご紹介します。
ご自身のテレワーク姿勢の自覚をする
今ご自身のテレワーク姿勢はいかがでしょうか?またテレワークに使っている机(テーブル他)、椅子などはいかがでしょうか?まずパソコンを置いてご自身がどんな形でパソコンを打っているのか、立ち止まって感じてみてください。 一人でいると誰も注意してくれませんが、ご自身で感覚的に理解することが大切です。
テレワーク猫背を治す意識をする
これは難しいかもしれません。テレワーク猫背を治す意識は大切です。ここで1つポイントをお伝えします。それは「良い姿勢の『定位置』を体で覚えること」です。野球でも定位置があるように、良い姿勢にも最適なポジションがあります。このポジションを意識すべきです。昔親に定規を入れられた記憶があるかもしれませんが、ある意味正しいのかもしれません。
テレワーク猫背の状態で筋トレはしない
猫背を治すために筋トレをする、という方もいらっしゃいます。しかしテレワーク猫背状態での筋トレはNGです。理由はテレワーク猫背は、他の猫背以上に筋肉が猫背仕様で固まっているからです。 猫背仕様で固まっている筋肉は、いくら筋トレしても改善されません。むしろ筋トレをすることで、猫背の状態を「固定」してしまいます。よってこの策は最適ではないのです。 テレワーク猫背は、筋肉を緩めることが大切なのです。
テレワーク猫背は緩めて治す
前出の「テレワーク猫背の状態で筋トレはしない」に引き続きますが、テレワーク猫背は筋肉を緩めて治すのが鉄則です。テレワークは体に負担がかかります。その負担は筋肉を固めます。 よってその硬くなり、猫背を作り出している筋肉を緩めていくことが鉄則になります。そして自然と良い姿勢が作れる状態にしていくのです。
正しい姿勢についてはこちらの書籍でより詳しくご覧いただけます。
小林篤史・著『一生曲がらない背骨をつくる 姿勢の教科書(マキノ出版)』
テレワーク猫背、寝たままできる5つの改善方法
テレワーク猫背において、身体の筋肉を緩めて治すのが大切だということをお伝えしました。しかし自宅が狭くてストレッチができない、という方もいらっしゃるでしょう。 そこでベッドの上でもできる「寝たままストレッチ」をご紹介します。
テレワーク猫背寝たまま改善方法1「耳ピタポーズ」

耳ピタポーズ
まずは「耳ピタポーズ」です。仰向けに寝て、手のひらをピタッとつけ、両腕を耳にピタッとつけます。腰が大きく浮かないようにするのがポイントです。 例えば腕が上がりづらい、両手をピタッとつけられない方は、あげられるところまでで結構です。
この時、「背すじのびのび枕」を使用すると、骨盤の歪みを改善しやすくよりスッキリできます。
テレワーク猫背寝たまま改善方法2「はりつけポーズ」

はりつけポーズ
次は「はりつけポーズ」です。腕とひじを直角に曲げた状態で、仰向けに寝ます。大胸筋の付け根が伸びてくるイメージがいいです。 難しければ、全て直角にする必要はありません。角度を変えて行なってみましょう。
テレワーク猫背寝たまま改善方法3「横向き前もも伸ばしポーズ」

横向き前もも伸ばしポーズ
次は「横向き前もも伸ばしポーズ」です。テレワークで縮みやすい、股関節の前面を伸ばします。 横向きになり、上側のひざを曲げます。そして曲げた方の足の甲をつかみ、前ももを伸ばします。
テレワーク猫背寝たまま改善方法4「太もも抱えポーズ」

太もも抱えポーズ
「太もも抱えポーズ」では、テレワークで硬くなった脚裏を伸ばします。仰向けで手を組んで胸の方へ引き寄せます。もう片方の脚がベッドから浮かないようにしてください。
テレワーク猫背寝たまま改善方法5「寝たまま首押しポーズ」

寝たまま首押しポーズ
猫背になると、詰まる部分があります。それは頭と首の境目です。後頭下部という表現をしますが、猫背になると顎が上がり、この部分の筋肉が固まるのです。 「寝たまま首押しポーズ」の主旨は、この部分の硬くなった筋肉を緩めることです。もし寝たまま行なって眠くなったら、そのまま寝てしまってください。就寝前に行うといいでしょう。
テレワーク猫背にならない日頃の心得もご紹介します
これまでテレワーク猫背の改善方法を5つご紹介しました。ただ日頃にケアできるといいですよね?テレワーク猫背にならない方法があるといいですよね? また寝なくてもできる方法があると、仕事しながらでもできると思います。そこで今回はテレワーク中にできる猫背対策を2つご紹介します。
テレワーク猫背、仕事中にできる対策1「ねこ首ケア」

「ねこ首」は頭が上がらない
猫背の人は、上を向くときに顎だけあげてしまいます。しかし本来は顎をあげるのではなく、また首を曲げるだけではなく、背中から動かすことです。背中でも上背部と言われる肩甲骨の内側を使って動かすのです。

本来は背中を使って頭をあげる
上を向いてと言われてなかなか向けない人も、この方法を使うと後ろの方まで見えるようになります。
また、首の緊張をとるグッズとして「ネックストレッチピロー『頸律(けいりつ)』」もおすすめです。
枕のようにして一日3分使うことで、首の緊張をほぐしストレートネックの改善に一役買ってくれます。
テレワーク猫背、仕事中にできる対策2「肩回し」
意外と重要なのが「肩回し」。テレワーク猫背は肩甲骨の動きが固まるので、ここを動かしましょう、ということです。 簡単にできるのですが、2つポイントがあります。
1)肩甲骨を意図的に動かすこと

肩回しは肩甲骨を使う
肩甲骨が固まっているので、意図的に肩甲骨を動かそうとしてください。
2)前回しの後に後ろ回しで締めること

後ろ回しで締める
前回しで終わりにすると、肩が前に出て猫背の状態で終わります。猫背のままになります。 最後後ろ回しで終わることで、正しい姿勢を作ることができるのです。
また、肩まわりの歪み改善におすすめしたいのが、「整体キャミREI」です。 整体の先生が開発した「整体キャミREI」は、着用することで上半身の姿勢を正してくれる補正下着です。 着用している間、肩が前に出すぎないようグッと姿勢を正してくれるので、正しい姿勢を身体に覚えさせることができます。
まとめ
テレワークにより腰痛、肩こり、頭痛などに悩まされる方が増えています。その要因としてテレワーク猫背に代表される、在宅ワークにおいての姿勢不良が挙げられます。 テレワークは移動せず仕事ができるという利点もありますが、仕事ができる環境ではないとストレスがかかるものです。そのストレスの中で、姿勢不良を生み出す要因がたくさん潜んでいます。 テレワーク猫背を治して、腰痛、肩こり、頭痛などの「テレワーク痛」からおさらばできるように、ぜひ正しい理解のもと取り組んでいきましょう。
※参考図書 『ねこ背が治る!寝たまま「耳ピタ」ポーズ(KADOKAWA)』
骨盤の歪み・腰の負担軽減には以下の「はくだけ整体シリーズ」も効果的です。